時代を駆け抜ける恍惚ドラマー! 通称ナベさん! 渡辺昭司 Watanabe Shouji インタビュー

2013年 写真・聞き手 川保天骨

※このインタビューは『ペキンパー第参号』に掲載されたものです。

知る人ぞ知るフリージャズのドラマーとして還暦を超えた現在でも都内ライブスタジオで精力的にライブをこなしている渡辺昭司さん。彼が単なるミュージシャンではない事はこのインタビュー記事と付録DVDに収録した映像を見てもらえば読者にも分かってもらえると思う。面白い! カッコイイ! そして男の色気がある! ペキンパー読者にぜひその存在を知ってもらいたく、ご登場願った次第。

※インタビュー記事は実際のインタビューを分かりやすくまとめたもので、実際に本人がしゃべった言葉通りではありません。あくまでもインタビュー映像の補足ですので、ぜひ映像をご覧ください!

――今日はよろしくお願いいたします!

渡辺
こちらこそ。よろしくお願いいたします。

――今日はナベさんの昔の話、特に70年代、ナベさんが若者だったころの事を聞きたくて。というのも、私は1970年生まれなんですが、70年代の音楽とか映画、演劇、マンガなど、とにかくあの時代に創作されたモノに凄く惹きつけられるんですよ。60年代でも80年代でもない。とにかく70年代的なものに目がないんです。ナベさんは70年代から現在まで音楽をやり続けてるわけですけど、70年代当時の状況についてお聞かせください。

渡辺
福生に住んでて、バンド組んだんですよ。そこから始まってますね。

――70年代にバンド組むってどういう感じなんですか?今と違いますか?

渡辺
違いますね………。もっとバカでした。なりふり構わずっていう感じで。………、今の人は格好つけてる感じが多いでしょ。

――その当時は、どんな人たちが周りにいたんですか?

渡辺
その当時、福生って特別な場所だったんですよ。米軍ハウスがあって、絵描きさんとかバンドマンとかヒッピーみたいなのとか沢山住んでるんですよ。そういう場所に住んでましたから刺激的でしたね。あの頃はフランス哲学っていうのが学生のシンボルだったんですよ。憧れっていうのもありましたが。サルトルの『存在と無』とか、その辺は分かんないんだけど読んでましたね。ミッシエル・フーコーとかね。一時的ですけどね。それがフリージャズに向かう起点になったかもしれないですね。

――フリージャズですか。なべさんはドラムなので、色々な人と組めますよね。

渡辺
僕はでも、10何年かドラムやめてたんですよ。30後半からだいたい50になるぐらいまで叩いてないです。南米から帰ってきて、再び叩き始めたんで、ブランクがあるんです。

50歳で南米に渡る!

――南米はどうでした?

渡辺
南米いる時はよく現地の人と間違われましたね。

――ナベさん、インディアンみたいな風貌ですもんね。

渡辺
おばあちゃんの祖先をたどると、ちょっとだけ入っているらしいですね。

――ナベさん若い時はモテたでしょ?

渡辺
モテはしなかったけど、自分から女の子にアタックしてましたね。飲みに行ってきれいな子がいたら「きれいだね」って言うし、デートしたいと思ったらデート申し込む。断られても特に気にしないですね。未だに言っちゃうんですよね。こんな還暦過ぎてんのに。

――そうですか~。そういう風に中々言えない人が多いんじゃないですか?

渡辺
それはね、バカじゃないんですよ。自分が自分の事バカだと思ってれば、どんな事言われたって大丈夫でしょ。でもその前に本当にキレイだって思ったら言ってるからね。嘘ついてきれいだって言ったらバレますよ。僕は本気になって言いますからね。きれいだって。あと、自分がいい男だって思わない事ですね。『僕なんかこんなもんだ! でも君はきれいだね!』その気持ちを持ってるといいですよ。

――なんか、ナベさんお恋愛教室みたいになってますね。

渡辺マイカのキングストンで知り合った友達でサンディーっていう女の子がいたんです。僕は安いコテージに泊ってたんですが、やってきて「あんた、ドラム叩けるなら、来なさい」ってそのままアメリカ人専用のホテルに連れていかれて、そこのバンドのドラムに入れられたの。ゲストで。すごくいいホテルでね、現地の人は入れないような高級ホテル。ドラム叩いてればタダで酒飲めるって言うんで、そりゃあ、叩きますよ。帰りにね、チップと一緒に特殊なタバコくれたりね。そのサンディーって女の子と次の日町にいたら、地元のラスタマンみたいなのが「マッシュル~ム、マッシュルーム」ってブラックマッシュルーム売りに来るんですよ。「ナンボだ?」って聞いたら「1ドルでいい」って言うんで「サンディー、今日はマッシュルームの日にするか!」ってなってマッシュルーム買って、そのまま二人で海を見てた事がありましたね。

――海見てたんですか………。

渡辺
その日の夕方からね。海が津波ですよ! もう! 正気に戻ったのは次の日の夕方ですから。

――丸一日トリップですか!

渡辺
ジャマイカでね、ポリスステーションの前でね、ラスタマンが葉っぱ売ってんですよ。ポリスとしてはそんな奴を捕まえても留置所でタダメシ食って釈放なんだから、捕まえない方がいいって感じなんですね。それで、近づいて行くと「ガンジャ、ガンジャ」って言うから「テイスティング プリーズ?」って。一発で効いた。「買った~!」ってね。そんな感じ。

――すごいですね、それは。

渡辺
まあ、でも30年ぐらい前ですから、今はもっと厳しくなってるかも知れませんね~。

まだまだ話は尽きないのだが……
ナベさんのナマな声がもっと聞きたい人は、ペキンパー第参号付録DVDをぜひ見て欲しい。

 

マジカル・パワー・マコとの音楽活動

ナベさんはマジカル・パワー・マコがバンド形態で活動していた1970年代初頭、行動を共にしていた。

この雑誌記事は日本版「ローリングストーン」誌(1975年11月号)でその活動が取り上げられた時の記事。当時の雰囲気が凝縮された写真や記事が満載されていた。

 


「ローリングストーン VOL.25」
(1975年11月号)の表紙。

 

マジカル・パワー・マコ

 

ナベさんの若いころの写真。

レジェンド―写真家松下弘子ライヴ写真集

[:ja]

2014年01月21日 著者:ペキンパーデジタル 編集部

『ペキンパー第4号』で特集した東京パンク・シーンのゴッド・マザー、ハードコアパンクライブカメラマン松下弘子さんの、第三弾にして最後の写真集『レジェンド』が先日リリースされた!

『ハードコア』(’99)、『Flash』(’08)※共に絶版。現在はプレミアが付いている。に続く5年ぶりとなる本作だが、発売に至るまでには紆余曲折があった。

「喜寿である77歳に、3冊目の写真集を出したい」――
松下さんの願いを叶えるべく、2012年7月から月に1回、およそ1年にわたり、高円寺MISSION’Sにてベネフィット・ライブ「ROAD TO 松下弘子 写真集への道」が開催された。当初は平日開催ということもあり赤字続きだったのだが、なんと最終的には目標の120万円を大きく上回る139万円が集まったのだ。

叫び、笑い、跳躍し、縦横無尽に駆け回る人々。熱気と衝動、肉体と轟音のせめぎ合いの中、松下さんが骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折の痛みをおして撮影した写真は、東京のパンク・ハードコア、ひいては日本の地下音楽シーンの最も鋭く尖った部分を見事に切り取ったものだ。

“レジェンド(伝説)”というタイトルがこれほど相応しい作品は他にないだろう。
一見カオス(混沌)そのものだが、そこには確かにポジティヴなエネルギーが存在している。

バンド、観客、そして撮影者の愛に満ち溢れている。

そもそもロックとは、元来ポジティヴなものではなかったか。振り向かず、前進し続けることこそ真のロックだと『レジェンド』は語っている。当サイトの読者に是非おすすめしたい一冊だ。

松下氏の経歴に興味をもたれた方は、併せて『ペキンパー第4号』も読んでいただくと、より深く理解が得られるはずだ。


レジェンド―
写真家松下弘子ライヴ写真集
品番

発売日
2014/01
詳細

現代野獣派ダンディズムのブルータルマガジン!
世界最高峰ロックンロール・バンド、モーターヘッドを総力特集!


ペキンパー第4号
品番
BTB-004
発売日
2013/10/18
詳細

総力特集!パンクっていったい何?カルチャーとしてのパンク論。日本のパンク
遠藤ミチロウ、ロングインタビュー[:en]2014年01月21日 著者:ペキンパーデジタル 編集部

『ペキンパー第4号』で特集した東京パンク・シーンのゴッド・マザー、ハードコアパンクライブカメラマン松下弘子さんの、第三弾にして最後の写真集『レジェンド』が先日リリースされた!

『ハードコア』(’99)、『Flash』(’08)※共に絶版。現在はプレミアが付いている。に続く5年ぶりとなる本作だが、発売に至るまでには紆余曲折があった。

「喜寿である77歳に、3冊目の写真集を出したい」――
松下さんの願いを叶えるべく、2012年7月から月に1回、およそ1年にわたり、高円寺MISSION’Sにてベネフィット・ライブ「ROAD TO 松下弘子 写真集への道」が開催された。当初は平日開催ということもあり赤字続きだったのだが、なんと最終的には目標の120万円を大きく上回る139万円が集まったのだ。

叫び、笑い、跳躍し、縦横無尽に駆け回る人々。熱気と衝動、肉体と轟音のせめぎ合いの中、松下さんが骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折の痛みをおして撮影した写真は、東京のパンク・ハードコア、ひいては日本の地下音楽シーンの最も鋭く尖った部分を見事に切り取ったものだ。

“レジェンド(伝説)”というタイトルがこれほど相応しい作品は他にないだろう。
一見カオス(混沌)そのものだが、そこには確かにポジティヴなエネルギーが存在している。

バンド、観客、そして撮影者の愛に満ち溢れている。

そもそもロックとは、元来ポジティヴなものではなかったか。振り向かず、前進し続けることこそ真のロックだと『レジェンド』は語っている。当サイトの読者に是非おすすめしたい一冊だ。

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2013/10/18
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総力特集!パンクっていったい何?カルチャーとしてのパンク論。日本のパンク
遠藤ミチロウ、ロングインタビュー[:]

「幸運な事に、僕はIdes of Geminiの記事を書く必要が無いからね」“ドリーミィ・ドゥーム” Ides of Geminiインタビュー

2014年4月 聞き手:Trip Thru Records

本日はIdes of Geminiのインタビュー。
“ドリーミィ・ドゥーム”とも形容される彼らは、2012年にNeurosisが運営するNeurot Recordsからアルバムをリリース。昨年にはGhostの北米ツアーに同行、今後に注目が集まっている。
バンドのギタリストで、Revolver, Decibelといった大手メタル系雑誌でジャーナリストとして活動してきた経験を持つ(ドキュメンタリー映画『サッチ・ホークス・サッチ・ハウンズ』にも出演している)J.Bennettに話を聞いた。

――時間を取って頂きありがとうございます。初めに、Ides of Geminiの成り立ちを教えてください。

J.Bennett(以下J)
2010年にSeraと僕で始めた。彼女の前のバンドBlack Math HorsemanがオランダのRoadburn festivalでプレイするはずだったんだけど、アイスランドで火山の噴火が起きたせいで飛行機が飛べなくなってしまった。
その時、僕はBlack Math Horsemanのローディだったんだ。僕らは文字通り、離陸するのを待っていた状態だったんだけど、引っ張り出されてキャンセルになった。
ロスにある家に足止めされていた時、Seraと曲を作った。その時の曲がファーストEP The Disruption Writ’s (※1)だよ。

 

(※1) The Disruption Writ’s 2013年リリース。

 

――あなた達の出身はどこですか?現在の拠点は?

J
Sera(vocals and bass)はNorth CaliforniaのSanta Cruz Mountains、Kelly(drums)はDetoroit、僕はMassachusetts出身。今はみんなロサンゼルスに住んでいるよ

――Ides of Gemini以前にバンドでプレイしたことはありますか?

J
Kellyと僕はないけど、Seraはいくつかのバンドでプレイしていた

――ミュージシャンとして、どんなバンド/アーティストから影響を受けていますか?

J
SeraとKellyについて僕の口からは言えないな。僕はPhilip Lynott, Richard Pryor, Harry Crewsの作品が好きだよ。

――あなたはジャーナリストとして長く活動されてきましたね。その経験はバンド活動に役立っていますか?

J
ジャーナリストとして働いて、バンド活動に非常に参考になっている人々と出会えたよ。だけど、ジャーナリストとして得た経験で最も役立っているのは、僕が好きじゃない事、Ides of Geminiとしてやりたくない事についてのクリアなビジョンだ。
多くの可能性を与えてくれた事には今も感謝しているよ。

――2012年にVermapyreとのスプリット(※2)をリリースされましたね。どのような経緯でしたか?

J
Vermapyreとのスプリットは、ロサンゼルスでDewid Hellionに彼のバンドIntegrityについてインタビューした後日に決まったんだ。僕らは音楽について語り終えて、作業に取り掛かった。彼にIdes of Geminiの曲を送ったら彼が気に入ってくれて、彼の新しいプロジェクトVarmapyreと一緒にスプリットを出さないかと提案してくれた。彼はMagic Bullet RecordsのBrent Eyeatoneにリリースの約束も取り付けてくれた。

 

(※2) Vermapyre & Ides of Gemini “split” LP 2012年リリース。

――Ides of Geminiはブラック・メタルと関連付けられる事が多いですね。また、誰かが“Dreamy Doom”とも形容していました。ご自身ではIdes of Geminiのサウンドをどう説明されますか?

J
僕は自分の音楽については説明しないよう努めている。幸運な事に、僕はIdes of Geminiの記事を書く必要が無いからね。僕らの音楽を説明するのは、他の人の仕事だよ。

――作曲のプロセスについて教えてください。グループによる総合的なものですか? それとも個人の手によるものですか?

J
総合的なものだ。でも、ほとんどのパートは各人が個人で書いている。通常、僕が最初にギター・パートを書いてから、Click Trackで基本的なアレンジを加える。それから、KellyとSeraが自分達のパートを書いて、みんなで練習して仕上げる。

――昨年、Ides of GeminiはGhostと北米ツアーをしましたね。どうでしたか?

J
とても素晴らしかったよ。Ghostの連中はスーパー・クールで、僕たちにとても良くしてくれた。宝くじを当てたような、大勢の観客の前でプレイしたんだ。毎晩、500~1500人規模の会場で、ほとんどのショウはソールド・アウトだった。
観客はあらゆる年齢層の人がいたよ。僕らは前座だったから、多くの感受性豊かな人たちの前でプレイできた。またとない経験だったね。機会を与えてくれたGhostにとても感謝している。

 

――最近はどんなバンド/アーティストのアルバムを楽しんでいますか?読者におススメがあったら教えてください。

J
Tears for Fearsの”The Hurting”が好きでよく聴いているけど、これは古いな。
最近のだと、In Solitudeの新作(Sister)とThe Uncle Acid and The Dead Beatsの新作(Mind Control)、Persekutorというバンドの7インチを聴いているよ。

――あなたは多くの形式で作品をリリースしています。カセット、CD、デジタル、ヴィニール。あなたはどんな形で音楽を聴く事を好まれますか?

J
状況によるね。家にいる時は可能な限りヴィニールで聴いているよ。だけど、ツアーなどで家を離れている時は、カセットや誰かのipodで音楽を聴いている。僕たちみんな、この三つの形で音楽を聴くのが好きだと言えるかな。

――2014年の予定はありますか?

J
来週から9月にリリースする新しいアルバムのレコーディングに入るんだ。秋にツアーを開始出来たらいいなと思っている。その合間に、ラスベガスのDoom In June festivalでプレイするんだけど、サプライズで新しいアルバムから何曲かやる予定だよ。

――最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

J
日本に行ってプレイすることが僕たちにとってひとつの大きな夢なんだ。そのうち実現出来ることを願っているよ!

 

この記事を英語で読む。 Read this article in English.

 

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「ドゥーム・シーンは有名になりたがっているヒップスターやポーザーで溢れていると思うね」 オランダの“Blasphemous Boogie”バンド Acid Deathtrip

2014年4月 聞き手:Trip Thru Records

 今回はオランダのAcid Deathtripのインタビュー。
オランダのデス/グラインド系バンドのメンバーによって結成された5人組で、2013年にEPをリリース。
そしてこの度、梵天レコード内のレーベルTrip Thru Recordsより6月6日に発売予定の
Doom/Stoner/Sludgeコンピレーション“All The Witches’ Day”に参加してくれたバンドだ!
Skullhog, Blind to FaithのメンバーでもあるドラムのRobが答えてくれた。

――時間を取って頂きありがとうございます。初めに、Acid Deathtripの歴史と、現在のラインナップを教えてください。

Rob Nabbe(以下R)

勿論。Acid Deathtripが活動を始めたのはここ数年だけど、バンドのメンバーはHC/Grind/Metal アンダーグラウンド・シーンの”ベテラン”なんだ。ラインナップは不変で、みんな90年代初期からバンドで活動している。俺たちの古い、そして現在のバンドをいくつか挙げると、Insult, Bile, Mangled, Collision, HSML, The Bastards, Suppository, Blind to Faith, Skullhog, Starve, Left For Dead (カナダ)。

HSMLは俺たちが2000年代始め頃にプレイしていたSludge’n Roll バンドで、2003年にLP/CDを一枚、2005年頃にスプリットをリリースした。

数年前にHSMLのメンバーで再びジャムをやるようになったことでAcid Deathtripが結成されたが、今は新しいヴォーカルがバンドに全く異なったヴァイヴを齎しているよ。

ラインナップは、
Bobby – Vocals
Boris – Bass
Grizzly Rob – Guitars
Willem-Jan – Guitars
Rob Nabbe – Drums

現在はオランダのReflections recordsからLP/CD、 cassette E.Pをリリースしている。(※1)
Hangman’s Chairとのスプリットも二カ月以内にそこからリリースするよ。

 

(※1) Acid deathtrip 2013年リリース。

――Acid Deathtripを聴いたことが無い読者のために、どんなサウンドか説明して頂けますか?

R
俺たちのサウンドはよくStonerrock, Death’n Roll, DoomrockかSludge’n Rollと説明されるが、俺たちは的外れな分類から離れて、”Blasphemous Boogie”と呼んでいる。

“Blasphemous Boogie”がどんなサウンドかと聞かれたら、heavy Rock and RollとDoomに、各メンバーが受けたDeath metalからSludgeまでの影響のミクスチャーと答えるね。
特に、Bobのヴォーカルはサウンドに異なるツイストを与えている。(どんなサウンドかは)みんなに決めてもらいたいよ。

――Acid Deathtripというバンド名の意味、由来は何ですか?

R
名前は文字通り、ドラッグによる自殺を意味している。
コンピに収録した曲(“Deathtrip”)の歌詞が、俺たちの名前について説明しているよ。

――ミュージシャンとして、どんなバンド/アーティストから影響を受けていますか?

R
影響を受けたリストを作ればエンドレスだな。
アルバムを二枚挙げるとしたら、Entombed “Wolverine Blues”とIron Monkey “Our Problem”

――Acid Deathtripの歌詞は何に影響を受けていますか?

R
歌詞はBobと俺で、殺伐としたものになるまで煮詰めて書いている。奇妙で、多くはネガティヴな歌詞に、ユーモラスなツイストを散りばめたものだ。
歌詞はバンドや人物に影響を受けたものではなく、多くは確たる書き方から生まれたものだ。歌詞のヴァイヴは、音楽から作り出された結果だね。

――あなたはどこの出身ですか? Acid Deathtripの現在の拠点はどこですか?

R
俺たちはオランダのHorstという場所のバンドだ。

――あなたはSkullhogとBlind to Faithのメンバーとしても知られていますが、メイン・バンドはどれですか?

R
全部が俺のメイン・バンドだよ。どのバンドもプロジェクトだと考えたことはないが、Blind to Faithは年に数回しかショウをやらないし、ショウか新しいアルバムを作りたい時にしか集まってリハーサルをやらないから、そう見えるかもな。だからBTFはAcid DeathtripとSkullhogのスケジュールの妨げにはなっていないよ。
Acid Deathtripはライブやリハーサルをやるようになってからは最もアクティヴなバンドだ。
複数のバンドに参加することはキツい時もあるが、どれも俺のはけ口で、違ったスタイルの音楽をプレイできることを楽しんでいるよ。うん、どれもいいよ。

――オランダの音楽シーン、最近のドゥーム・シーンについて、あなたはどう思っていますか?


R

様々な場所から多くのバンドが出てきているが、Acid Deathtripは“ドゥーム・シーン”の中だけでプレイすることに集中していない。出来る限り多様なショウでプレイしたいと思っているよ。
“worship the riff”(陳腐でくだらないフレーズだ)なクールなバンドがたくさん出てきている。

90sスタイルのugly-ass Sludgeが好きならThrow Me In The Craterがオススメだ。
完全にPessimiser/Bovine recordsスタイルだよ。
彼らはデモをLPにプレス(あるべき姿だ)して、NoothgrushとRoadburnなど短いユーロ・ツアーを行うよ。

No Gods No Mastersはsmoked out riffsにメタル・コア・タイプのチャギングがあるSludgeバンドだ。何かでIron MonkeyとCro-Magsの名前が挙がっていたけど、俺が彼らのライブを観て、素晴らしいデモを聴いた時はBongzillaとIron Monkeyが思い浮かんだよ。

あと、Swamp MachineはToner Low, Herderなどと並んで有名になっているね。
ダウンチューンされたスローな音楽が好きなら、これで十分だろう。

ファストな音楽も同じように良いよ。メタルだと、VillainyとEntrapmentが俺のお気に入りだ。

とは言っても、ドゥーム・シーンは有名になりたがっているヒップスターやポーザーで溢れていると思うね。
俺の意見では、スラッジはパンクに属するもので、グラビア雑誌やitunes、流行りのフェスは似合わない。
ドゥーム・メタルはメタル・シーン全体の一部で、弱く、つまらなくなっている。
あまりに多くのバンドが、少なすぎる喜びと、わずかな客数のショウ、わずかなレコード・セールス、無関心、何でもいいが
……その結果として、すべての余剰と完全な負担を背負っている。

アンダーグラウンドからゆっくりと新しい、エキサイティングなバンドが誕生しているのを知るのは良いよ。特に、最近のデス・ メタルはね。

――“All The Witches’ Day”に参加して頂きありがとうございます。何かコメントを頂けますか?

R

誘ってくれてありがとう。みんな曲をチェックして、気に入ってくれたら、whorebook、つまり、facebookからメールしてくれ。

――コンピに参加しているバンドで、知っているバンドはありますか?

R
ああ、Starveは勿論知っているよ。GuevnnaもRyo(Guevnna, 元Coffins)を通して知っている。Conanもいくつか作品を聴いたことがあるよ。他のバンドは、きっと俺を驚かせてくれるだろう。

――Acid Deathtripの次の予定を教えてください。


R

Reflection RecordsからパリのHangman’s Chairとのスプリットを二カ月以内に出すよ。
それから、新しいフル・アルバム用の曲を書いて、レコーディングして、オークランドのSerpents of Dawnとのスプリットをリリースする予定だ。

あとは、ライブを再開して、このバンドでツアーできたらと思っている。

――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。


R

日本の仲間、Ryo, Tak, Uchino, Satoshiに感謝を伝えたいよ!UGH!!

 

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「Red FangやDanava、Lord Dyingといったバンドのおかげで、 ポートランドはヘヴィな音楽を愛する街として認知され始めているね」ポートランドのストーナー・ロック・トリオSons of Hunsインタビュー

[:ja]

2014年4月 聞き手:梵天レコード

今回はポートランドのストーナー・ロック・トリオSons of Hunsのインタビュー。
ポートランドといえば、Red FangやYobなど、刺激的なバンドを多数輩出している街だ。
そこから新たに登場したSons of Huns。前述のバンド達のように、どこかひねくれた、一筋縄ではいかないサウンド。それがポートランド“らしさ”なのかもしれない。

ドラムのRyan Northropが答えてくれた。

――初めに、時間を取って頂きありがとうございます。そして、「ペキンパー」にようこそ!
Sons of Hunsの歴史を教えて頂けますか?

Ryan Northrop(以下、RN)
勿論。俺たちは2009年の秋頃、別のバンドで活動していた。
Peter(guitar)はShoki(bass)とバンドを組んでいた。そこではShokiはドラムをプレイしていて、俺はShokiがベースを弾くバンドでドラムをプレイしていた。
PeterとShokiのバンドの最後のショウを観に行って、俺はPeterのプレイに惚れこんで、彼にロック・バンドを組まないかって言った。
俺たちはアメリカ北西部のガレージ・バンド、The Sonicsが大好きで、彼らのような曲を書こうとしていたら、それがSons of Hunsになった。
俺たちは7インチEPと、アルバムをリリースしているよ。

――Sons of Hunsの現在のラインナップを教えてください。

RN
Shoki Tanabe (bass)
Ryan Northrop (drums)
Peter Hughes (guitar)。

――Sons of Hunsを聴いた事が無い読者のために、どんなサウンドか説明していただけますか?

RN
俺たちはアメリカ、オレゴン州ポートランドのロックンロール・バンドだ。俺たちはFuzzを愛しているよ。

――Sons of Hunsというバンド名の意味、または由来は何ですか?

RN
バンド名を考えるのは難しい。それに、俺たちは韻を踏みたかったんだ。
フン族はブルータルな民族だし、俺たちのサウンドをとてもよく表していると思うよ。

――ミュージシャンとして、どんなアーティスト/バンドから影響を受けましたか?

RN
良い事に、俺たちみんな同じようなバンドから影響を受けているんだ。Black Sabbath, The Sonics, The Monks, Motorhead……etc。

――アルバムのリリースおめでとうございます。Easy Rider Recordsからのリリースですが、どのようにして実現したのですか?

RN
インターネットで、新進気鋭の素晴らしいストーナー・ロック・レーベルがあると知ったんだ。俺たちはちょうどアルバムのレコーディングしたところだった。俺たちはどうしても良いレーベルからリリースしたかったから、Easy Rider Recordsのオーナー、Daniel Hallに音源とメールを送ったら、彼が興味を示してくれたんだ。後はご存知の通りだよ。

――“Banishment Ritual”(※1)はヴィニールでリリースされましたが、あなたたちはヴィニールのファンですか?

RN
俺たちはヴィニールの大ファンだよ。音も良いし、俺たちのファンは俺たち以上だろう。形のある、スペシャルなものを手にするんだから。

 

(※1) Banishment Ritual 2013年リリース。

――アルバムのアートワークはトリッピー、スペーシーで素晴らしいですね。誰の手によるものですか?

RN
俺たちの友人、Adam Burkeだ。素晴らしいアーティストだよ。アルバム全てのアートワークを手掛けている。“Leaving Your Body 7″”(※2)も彼の手によるものだ。

(※2) “Leaving Your Body 7″” 2012年リリース。

――“Super kanpai rainbow”という曲について聞きたいのですが、“kanpai”とは日本語の乾杯のことですか?

RN
そうだよ。ベーシストのShokiが日本語を話せるし、面白い名前だと思ってね。

――あなたはSFの大ファンのように思えますが、特定の映画やTVショウから影響を受けていますか?

RN
俺たちみんなSFが大好きだ。レイ・ブラッドベリやアイザック・アシモフ、H.P.ラブクラフトなどを読んで育ったんだ。

――ポートランドの音楽シーンについて教えて頂けますか?

RN
ポートランドには音楽好きのための何かがあるよ。大きな街ではないけど、大きな街に負けないくらいアートを排出しているし、影響力を持っている。

長いことポップスやインディー・ロックの街として知られていたけど、もっとヘヴィな音楽……Red FangやDanava、Lord Dyingといったバンドのおかげで、ポートランドはヘヴィな音楽を愛する街として認知され始めているね。

――最近はどんなバンド、アーティストのアルバムを楽しんでいますか? 読者におススメがあったら教えてください。

RN
Windhand, Klevertak, Christian Mistress, Danava, Lord Dying, Billions and Billionsなどを良く聴いているよ。

――Sons of HunsはRed Fang, Danavaといったクールなバンドと一緒にプレイした事がありますね。やってみてどうでしたか?

RN
期待通りの素晴らしさだったよ! 素晴らしいバンドと一緒にプレイ出来る事を幸運に思っているよ。

――ライブやツアーでの面白いエピソードはありますか?

RN
俺たちのライブを観に来れば、踊って楽しむことが出来るよ。でなけりゃ、Peterのギターが君に大目玉を喰らわすだろう。

――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

RN
日本のクルー、タカコ、シンジ、シンペイ、ユウスケ、ヒデアキに感謝を伝えたいよ!
日本のファンみんなに感謝している。君たちに会って、一緒に楽しめる日が来るのを楽しみにしているよ!

この記事を英語で読む。 Read this article in English.[:en]

2014年4月 聞き手:梵天レコード

今回はポートランドのストーナー・ロック・トリオSons of Hunsのインタビュー。
ポートランドといえば、Red FangやYobなど、刺激的なバンドを多数輩出している街だ。
そこから新たに登場したSons of Huns。前述のバンド達のように、どこかひねくれた、一筋縄ではいかないサウンド。それがポートランド“らしさ”なのかもしれない。

ドラムのRyan Northropが答えてくれた。

――初めに、時間を取って頂きありがとうございます。そして、「ペキンパー」にようこそ!
Sons of Hunsの歴史を教えて頂けますか?

Ryan Northrop(以下、RN)
勿論。俺たちは2009年の秋頃、別のバンドで活動していた。
Peter(guitar)はShoki(bass)とバンドを組んでいた。そこではShokiはドラムをプレイしていて、俺はShokiがベースを弾くバンドでドラムをプレイしていた。
PeterとShokiのバンドの最後のショウを観に行って、俺はPeterのプレイに惚れこんで、彼にロック・バンドを組まないかって言った。
俺たちはアメリカ北西部のガレージ・バンド、The Sonicsが大好きで、彼らのような曲を書こうとしていたら、それがSons of Hunsになった。
俺たちは7インチEPと、アルバムをリリースしているよ。

――Sons of Hunsの現在のラインナップを教えてください。

RN
Shoki Tanabe (bass)
Ryan Northrop (drums)
Peter Hughes (guitar)。

――Sons of Hunsを聴いた事が無い読者のために、どんなサウンドか説明していただけますか?

RN
俺たちはアメリカ、オレゴン州ポートランドのロックンロール・バンドだ。俺たちはFuzzを愛しているよ。

――Sons of Hunsというバンド名の意味、または由来は何ですか?

RN
バンド名を考えるのは難しい。それに、俺たちは韻を踏みたかったんだ。
フン族はブルータルな民族だし、俺たちのサウンドをとてもよく表していると思うよ。

――ミュージシャンとして、どんなアーティスト/バンドから影響を受けましたか?

RN
良い事に、俺たちみんな同じようなバンドから影響を受けているんだ。Black Sabbath, The Sonics, The Monks, Motorhead……etc。

――アルバムのリリースおめでとうございます。Easy Rider Recordsからのリリースですが、どのようにして実現したのですか?

RN
インターネットで、新進気鋭の素晴らしいストーナー・ロック・レーベルがあると知ったんだ。俺たちはちょうどアルバムのレコーディングしたところだった。俺たちはどうしても良いレーベルからリリースしたかったから、Easy Rider Recordsのオーナー、Daniel Hallに音源とメールを送ったら、彼が興味を示してくれたんだ。後はご存知の通りだよ。

――“Banishment Ritual”(※1)はヴィニールでリリースされましたが、あなたたちはヴィニールのファンですか?

RN
俺たちはヴィニールの大ファンだよ。音も良いし、俺たちのファンは俺たち以上だろう。形のある、スペシャルなものを手にするんだから。

 

(※1) Banishment Ritual 2013年リリース。

――アルバムのアートワークはトリッピー、スペーシーで素晴らしいですね。誰の手によるものですか?

RN
俺たちの友人、Adam Burkeだ。素晴らしいアーティストだよ。アルバム全てのアートワークを手掛けている。“Leaving Your Body 7″”(※2)も彼の手によるものだ。

(※2) “Leaving Your Body 7″” 2012年リリース。

――“Super kanpai rainbow”という曲について聞きたいのですが、“kanpai”とは日本語の乾杯のことですか?

RN
そうだよ。ベーシストのShokiが日本語を話せるし、面白い名前だと思ってね。

――あなたはSFの大ファンのように思えますが、特定の映画やTVショウから影響を受けていますか?

RN
俺たちみんなSFが大好きだ。レイ・ブラッドベリやアイザック・アシモフ、H.P.ラブクラフトなどを読んで育ったんだ。

――ポートランドの音楽シーンについて教えて頂けますか?

RN
ポートランドには音楽好きのための何かがあるよ。大きな街ではないけど、大きな街に負けないくらいアートを排出しているし、影響力を持っている。

長いことポップスやインディー・ロックの街として知られていたけど、もっとヘヴィな音楽……Red FangやDanava、Lord Dyingといったバンドのおかげで、ポートランドはヘヴィな音楽を愛する街として認知され始めているね。

――最近はどんなバンド、アーティストのアルバムを楽しんでいますか? 読者におススメがあったら教えてください。

RN
Windhand, Klevertak, Christian Mistress, Danava, Lord Dying, Billions and Billionsなどを良く聴いているよ。

――Sons of HunsはRed Fang, Danavaといったクールなバンドと一緒にプレイした事がありますね。やってみてどうでしたか?

RN
期待通りの素晴らしさだったよ! 素晴らしいバンドと一緒にプレイ出来る事を幸運に思っているよ。

――ライブやツアーでの面白いエピソードはありますか?

RN
俺たちのライブを観に来れば、踊って楽しむことが出来るよ。でなけりゃ、Peterのギターが君に大目玉を喰らわすだろう。

――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

RN
日本のクルー、タカコ、シンジ、シンペイ、ユウスケ、ヒデアキに感謝を伝えたいよ!
日本のファンみんなに感謝している。君たちに会って、一緒に楽しめる日が来るのを楽しみにしているよ!

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