「ドゥーム・シーンは有名になりたがっているヒップスターやポーザーで溢れていると思うね」 オランダの“Blasphemous Boogie”バンド Acid Deathtrip

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2014年4月 聞き手:Trip Thru Records

int 010 b 001 - 「ドゥーム・シーンは有名になりたがっているヒップスターやポーザーで溢れていると思うね」 オランダの“Blasphemous Boogie”バンド Acid Deathtrip 今回はオランダのAcid Deathtripのインタビュー。
オランダのデス/グラインド系バンドのメンバーによって結成された5人組で、2013年にEPをリリース。
そしてこの度、梵天レコード内のレーベルTrip Thru Recordsより6月6日に発売予定の
Doom/Stoner/Sludgeコンピレーション“All The Witches’ Day”に参加してくれたバンドだ!
Skullhog, Blind to FaithのメンバーでもあるドラムのRobが答えてくれた。

――時間を取って頂きありがとうございます。初めに、Acid Deathtripの歴史と、現在のラインナップを教えてください。

Rob Nabbe(以下R)

勿論。Acid Deathtripが活動を始めたのはここ数年だけど、バンドのメンバーはHC/Grind/Metal アンダーグラウンド・シーンの”ベテラン”なんだ。ラインナップは不変で、みんな90年代初期からバンドで活動している。俺たちの古い、そして現在のバンドをいくつか挙げると、Insult, Bile, Mangled, Collision, HSML, The Bastards, Suppository, Blind to Faith, Skullhog, Starve, Left For Dead (カナダ)。

HSMLは俺たちが2000年代始め頃にプレイしていたSludge’n Roll バンドで、2003年にLP/CDを一枚、2005年頃にスプリットをリリースした。

数年前にHSMLのメンバーで再びジャムをやるようになったことでAcid Deathtripが結成されたが、今は新しいヴォーカルがバンドに全く異なったヴァイヴを齎しているよ。

ラインナップは、
Bobby – Vocals
Boris – Bass
Grizzly Rob – Guitars
Willem-Jan – Guitars
Rob Nabbe – Drums

現在はオランダのReflections recordsからLP/CD、 cassette E.Pをリリースしている。(※1)
Hangman’s Chairとのスプリットも二カ月以内にそこからリリースするよ。

 

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(※1) Acid deathtrip 2013年リリース。

――Acid Deathtripを聴いたことが無い読者のために、どんなサウンドか説明して頂けますか?

R
俺たちのサウンドはよくStonerrock, Death’n Roll, DoomrockかSludge’n Rollと説明されるが、俺たちは的外れな分類から離れて、”Blasphemous Boogie”と呼んでいる。

“Blasphemous Boogie”がどんなサウンドかと聞かれたら、heavy Rock and RollとDoomに、各メンバーが受けたDeath metalからSludgeまでの影響のミクスチャーと答えるね。
特に、Bobのヴォーカルはサウンドに異なるツイストを与えている。(どんなサウンドかは)みんなに決めてもらいたいよ。

――Acid Deathtripというバンド名の意味、由来は何ですか?

R
名前は文字通り、ドラッグによる自殺を意味している。
コンピに収録した曲(“Deathtrip”)の歌詞が、俺たちの名前について説明しているよ。

――ミュージシャンとして、どんなバンド/アーティストから影響を受けていますか?

R
影響を受けたリストを作ればエンドレスだな。
アルバムを二枚挙げるとしたら、Entombed “Wolverine Blues”とIron Monkey “Our Problem”

――Acid Deathtripの歌詞は何に影響を受けていますか?

R
歌詞はBobと俺で、殺伐としたものになるまで煮詰めて書いている。奇妙で、多くはネガティヴな歌詞に、ユーモラスなツイストを散りばめたものだ。
歌詞はバンドや人物に影響を受けたものではなく、多くは確たる書き方から生まれたものだ。歌詞のヴァイヴは、音楽から作り出された結果だね。

――あなたはどこの出身ですか? Acid Deathtripの現在の拠点はどこですか?

R
俺たちはオランダのHorstという場所のバンドだ。

――あなたはSkullhogとBlind to Faithのメンバーとしても知られていますが、メイン・バンドはどれですか?

R
全部が俺のメイン・バンドだよ。どのバンドもプロジェクトだと考えたことはないが、Blind to Faithは年に数回しかショウをやらないし、ショウか新しいアルバムを作りたい時にしか集まってリハーサルをやらないから、そう見えるかもな。だからBTFはAcid DeathtripとSkullhogのスケジュールの妨げにはなっていないよ。
Acid Deathtripはライブやリハーサルをやるようになってからは最もアクティヴなバンドだ。
複数のバンドに参加することはキツい時もあるが、どれも俺のはけ口で、違ったスタイルの音楽をプレイできることを楽しんでいるよ。うん、どれもいいよ。

――オランダの音楽シーン、最近のドゥーム・シーンについて、あなたはどう思っていますか?


R

様々な場所から多くのバンドが出てきているが、Acid Deathtripは“ドゥーム・シーン”の中だけでプレイすることに集中していない。出来る限り多様なショウでプレイしたいと思っているよ。
“worship the riff”(陳腐でくだらないフレーズだ)なクールなバンドがたくさん出てきている。

90sスタイルのugly-ass Sludgeが好きならThrow Me In The Craterがオススメだ。
完全にPessimiser/Bovine recordsスタイルだよ。
彼らはデモをLPにプレス(あるべき姿だ)して、NoothgrushとRoadburnなど短いユーロ・ツアーを行うよ。

No Gods No Mastersはsmoked out riffsにメタル・コア・タイプのチャギングがあるSludgeバンドだ。何かでIron MonkeyとCro-Magsの名前が挙がっていたけど、俺が彼らのライブを観て、素晴らしいデモを聴いた時はBongzillaとIron Monkeyが思い浮かんだよ。

あと、Swamp MachineはToner Low, Herderなどと並んで有名になっているね。
ダウンチューンされたスローな音楽が好きなら、これで十分だろう。

ファストな音楽も同じように良いよ。メタルだと、VillainyとEntrapmentが俺のお気に入りだ。

とは言っても、ドゥーム・シーンは有名になりたがっているヒップスターやポーザーで溢れていると思うね。
俺の意見では、スラッジはパンクに属するもので、グラビア雑誌やitunes、流行りのフェスは似合わない。
ドゥーム・メタルはメタル・シーン全体の一部で、弱く、つまらなくなっている。
あまりに多くのバンドが、少なすぎる喜びと、わずかな客数のショウ、わずかなレコード・セールス、無関心、何でもいいが
……その結果として、すべての余剰と完全な負担を背負っている。

アンダーグラウンドからゆっくりと新しい、エキサイティングなバンドが誕生しているのを知るのは良いよ。特に、最近のデス・ メタルはね。

――“All The Witches’ Day”に参加して頂きありがとうございます。何かコメントを頂けますか?

R

誘ってくれてありがとう。みんな曲をチェックして、気に入ってくれたら、whorebook、つまり、facebookからメールしてくれ。

――コンピに参加しているバンドで、知っているバンドはありますか?

R
ああ、Starveは勿論知っているよ。GuevnnaもRyo(Guevnna, 元Coffins)を通して知っている。Conanもいくつか作品を聴いたことがあるよ。他のバンドは、きっと俺を驚かせてくれるだろう。

――Acid Deathtripの次の予定を教えてください。


R

Reflection RecordsからパリのHangman’s Chairとのスプリットを二カ月以内に出すよ。
それから、新しいフル・アルバム用の曲を書いて、レコーディングして、オークランドのSerpents of Dawnとのスプリットをリリースする予定だ。

あとは、ライブを再開して、このバンドでツアーできたらと思っている。

――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。


R

日本の仲間、Ryo, Tak, Uchino, Satoshiに感謝を伝えたいよ!UGH!!

 

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