SUMMONED BY GIANTS(US)とのツアーを直前に控えたドゥーム/スラッジ・トリオFLOATERSインタビュー

聞き手:梵天レコード

USシアトルのドゥーム/ストーナー・バンドSUMMONED BY GIANTSとの国内ツアーを直前に控えたドゥーム/スラッジ・トリオFLOATERSに、短めですがインタビューいたしました。2017年にリリースした1stアルバム『Waiting For Amnesty』に続く2ndアルバムも準備中とのことで、ますます目が離せません。

SUMMONED BY GIANTSにもインタビューしましたので、こちらも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。
ツアーは4月13日土曜日からスタート。行きましょう!

――前回のインタビューから時間も開いてますので、その間のFloatersの活動を簡単にでいいので教えて頂けますでしょうか。

Mossa Hiro (Bass/Voice)
前回はアルバムリリース直前だから1年数カ月経つけど、その間はライブ、ライブ、ライブ、活動休止、復帰って感じかな。
2018年は本当に色々なバンドさんに呼んで貰ったりで毎週と言って良い位にライブやらせてもらった。
多くの方にアルバムも聴いてもらえたし関東以外にも何箇所か行けたし良い1年だったと思う。
まぁ11月にドラムのJunの病気でライブ活動休止になったけど(笑)。

――ライブ活動休止中はどのようにしてましたか?また今回のツアーまでに復帰出来るかの目処はたっていましたか?

Mossa
スタジオは月に2回位は入ってて新曲書いてたからあまり止まってる感じはなかった。
まぁスタジオ入っても軽く合わせてあとは殆ど話してるみたいな感じだったよ。
病気も良くなるのは分かってたけど、正直言って復帰時期がいつになるかってのは治療が上手く行くかなので何とも言えなかったけど、順調に回復して結果的には予想よりも少し早く復帰出来たから良かったよ。

――SUMMONED BY GIANTSの招集はどのような経緯で決まったのですか?

Mossa
去年の8月末にKaalaのMattから「SeattleのSubstationってライブハウスのオーナーのKenが日本に行くからタイミング合えば会って」と連絡が来たのが始り。
9月にKenが来日して1日空いてる日があって、俺の働いてるThrash Zoneに呑みに来てくれるってなって、El PuenteのオーナーのShiggyさんも呼んで3人で「日本とSeattleで交流出来たら良いね」って色々と話したんだけど、KenがSeattleに戻って暫くしてから「SBGってバンドいるんだけど一緒に日本周れる?」って連絡来てKaalaのメンバーとKenとやり取りして実現に至った。

――今年2ndアルバムのリリースも控えているようですが、どんな感じになりそうですか?

Mossa
基本的にはいつも通りのFLOATERS。ごった煮(笑)。
完成してる曲はね(笑)。
あ、歌詞はちゃんと書いてるよ(笑)。
前回のレコーディングの反省が活きてる!
まだ曲足りないから書かなきゃいけないんだけどさ。
年内には出せるようにってメンバー間では話してる。

――気が早いですが2ndアルバムリリース後の計画とかはありますか?

Mossa
アルバム出して日本各地に行きたいし、出来ればSBGと西海岸ツアーもしたいな。
去年一緒に演ったニューオリンズのCHOKEとも南部で演れたら最高だね。
まぁ先ずは今回のツアーを成功させてからだけどね(笑)。

――最後にツアーで行く各地の皆さんに一言お願いします。

Mossa
FLOATERSとしては今の編成で初めて行く街だったり、過去に行った事があっても違うライブハウスだったりで
各地のオーガナイザーさん対バンの皆さんに感謝します。
本当に皆さんの協力がなければ実現しませんでした。ありがとうございます!!

SBGと共に全力で愉しみますので皆さんも遊びに来て音と酒に酔って愉しんで貰えたらと思います。
よろしくお願いします!!

https://floatersjapan.bandcamp.com/
https://facebook.com/floaters.japan/
https://twitter.com/TxJun666

Summoned By Giants & FLOATERS JAPAN TOUR —GEMINATE OUTLAWS TOUR—

4/13(土)場所:中野MOONSTEP
Summoned by Giants
Floaters
Lifeblood
Worship Pain
Crash Syndrom
Bafomet
Mortify
Harappa

前売/当日 2,500/3,000円 + 1drink
学生(要学生証提示) 2,000円 + 1drink

4/14(日)場所:渋谷 Ruby Room
FLOATARS
Summoned By Giants(Seattle)
Khola Cosmica
ZOTHIQUE
穴虎69
Her Vomit is Modern…
Black Creek Drive
DJ ロベルト吉野

¥2000+1D
OP 1530/ST 1600

4/17(水)場所:岡山pepperland
SUMMONED BY GIANTS
FLOATERS
THE BOME STONE
TILL EWING
HOLY PISS
dios del mal

OPEN19:30 START20:00
¥2000+ drink charge¥500

4.18(木) 場所:アメリカ村 HOKAGE
Summoned By Giants (Seattle)
FLOATERS (Yokohama)
GARADAMA
The Probes

OPEN/START:19:00/19:30
前売/当日2,000yen/2,500yen (+1drink)

4/19(金) 場所:名古屋 HUCK FINN
Summoned By Giants(USA)
Floaters(西横浜)
nibs
Dethfast
Wet Bream

open/start 18:20/18:40
前売/当日¥2000+1d¥500

4/20(土)場所:長野 VENUE
Summoned By Giants (Seattle)
Floaters (東京)
GATE (栃木)
GODS OF GRIND
YxAxD
INVICTUS
DJ 平林兄弟 (ROW-GUN & Te2o)

¥2,000
OPEN 17:30 / START 18:00

4/21(日)場所:西横浜 EL PUENTE
KANDARIVAS
SERINGAI
TARING
FLOATERS
SUMMONED BY GIANTS
VERITAS CONC.75
DISASTER
SLAMMING AVOID NUTS
FUCK ON THE BEACH

[open] 15:00- [start] 15:30-
[adv] 2000yen [door] 2500yen

 

https://peckinpah.jp/wp/2018/01/14/interview-floaters/

[:ja]米オレゴンのスラッジ/ドゥームYOBが8thアルバム‘Our Raw Heart’を6月8日にリリース[:]

[:ja]

米オレゴン州ユージーンのエクスペリメンタル・スラッジ/ドゥーム・バンドYOBが2014年の“Clearing the Path to Ascend”以来4年ぶり、8枚目となるアルバム“Our Raw Heart”を6月8日にリリースするとアナウンスしました。

2016年には中心人物のMike Scheidt(Vocals, Guitars)が病に倒れ活動の存続すら危ぶまれていましたが、遂に!

マスタリングはThe Mars VoltaSlowdiveを手がけたHeba Kadry が担当。全7曲を収録。発売元はRelapse Records。予約受付は4月10日から開始。

6月14日からBell Witchをサポートに迎えて北米ツアーを開始予定。

https://yobislove.bandcamp.com/
https://facebook.com/quantumyob/
https://label.relapse.com/yob-release-our-raw-heart-on-june-8-via-relapse-announce-north-american-tour/

[:]

太陽肛門 SOLAR ANUS

元々は川保天骨が高校時代、九州で始めたプロジェクトであり13年前、川保が上京して以来、一時地下に潜る状態となっていたが、5年前再編成され現在に至る。 (東京で似たような名前のバンドがいくつかあるが、まったく無関係) 当初、完全なる和製ドゥームロックを目指し、平成9年、暗く沈み込むような楽曲で聴く者をアッという間に憂鬱にさせるファーストアルバム『怨』を発表。 日本では人間椅子とカテドラルなどのマニアのみに受けるが、ヨーロッパ、特にドイツとベルギー、ハンガリーでその名を知られた。2カ月に一回のペースで企画ライブ『恍惚万歳!』を続け、平成11年6月、ついにフランスへ中野貴雄監督率いる女相撲とカップリングでツアーを敢行。帰国後すぐにセカンドアルバム『恍惚!』を発表。サイケデリック色を増したこのアルバムはドゥームロックとトランスの懸け橋となるべく、現在、インディーズレコード店で販売中。

“怨” (1997)

1.青頭巾 12:19
2.母恋しや珊瑚礁 05:05
3.畸形 07:16
4.骨肉 07:20
5.生き地獄 05:14
6.傴僂 06:36
7.幻三 01:39
Total:45:29    

Line Up: Tenkotsu Kawaho (Bass, Vocals), Takahiro Seki (Drums, Percussion, Vocals), Wataru Isiko (Guitars, Vocals)

Label: Bonten Records

太陽肛門ファーストアルバムにして、玉門レーベル(現・梵天レコード他)の記念すべき第一弾。初期CATHEDRALと人間椅子とのミックスとでも言うべき正統派和製ドゥームロック。JAシーザーのカバー#2からも明らかなように昭和のフォークやニューロック、歌謡曲、アングラ演劇からの影響も顕著。当時のライブを観た人間に話を聞くと和太鼓の使用や“頭がテレビの獅子舞”が登場するなど実際に演劇的要素も取り入れていたようだ。

“恍惚!!” (1999)

1.電機水母 08:13
2.逃げるな 04:33
3.孕んでドーン 06:39
4.怨敵退散 08:54
5.おんどろげろす 04:47
6.宇宙で死ぬ 16:39
Total:49:45    

Line Up: Tenkotsu Kawaho (Bass, Vocals), Takahiro Seki (Drums, Percussion, Vocals), Wataru Isiko (Guitars, Vocals)

Label: Bonten Records

本誌編集長・川保天骨(Vo, B)率いるドゥーム・ロック・バンドの2ndフル。1stではCATHEDRAL人間椅子をミックスしたような土着的かつ呪術的なドゥーム・ロックだったが、川保氏が変性意識(トリップ)を体験したことによってサイケ、クラウト、トランスが入り混じった怪作に。#2は外道のカバー。16分に及ぶサイケデリック・ドゥーム・トランス#6″宇宙で死ぬ”は本作のハイライト。ちなみに解散はしておらず、本人曰く「やりたいけど時間がない」とのこと。

“あの世通信” (2000)

1.祭りの準備 01:04
2.脳内麻薬 05:08
3.対極 04:15
4.盆暮れ正月 03:05
5.極北! 04:06
6.肉圧力 12:38
7.鬼 03:08
8.転生 08:40
Total:42:04    

Line Up: Tenkotsu Kawaho (Bass, Vocals), Takahiro Seki (Drums, Percussion, Vocals), Wataru Isiko (Guitars, Vocals)

Label: Bonten Records

“Skull Alcoholic:The Complete Solar Anus” (2006)

1.Skull Alcoholic 09:02
2.Blue Hood 12:23
3.Dear Mother Coral 05:08
4.Freaks 07:20
5.Bone Flesh 07:24
6.Living Hell 05:17
7.Genzo 06:37
8.— 01:39
9.Electric Jellyfish 08:13
10.Don’t Run 04:33
11.Conceive Bang! 06:39
Total: 01:14:15     

Disc 2
1.Enemy Disappear 08:54
2.Ondorogerosu 04:47
3.Die in the Space 16:39
4.Preparation of Festival 01:04
5.Asid in My Brain 05:08
6.Polar 04:15
7.Nightfall New Year 03:05
8.The Extreme North 04:06
9.Meat Pressure 12:38
10.Deamon 03:08
11.Reborn 08:40
Total:01:12:24

Line Up: Tenkotsu Kawaho (Bass, Vocals), Takahiro Seki (Drums, Percussion, Vocals), Wataru Isiko (Guitars, Vocals)
Label: tUMULt

「そんな感じでFloatersはとにかくクソ野郎です!」1stアルバムをリリースしたドゥーム/スラッジ・トリオFLOATERSインタビュー!

[:ja]聞き手:梵天レコード
2017年11月26日 関内Thrashzone Meatballsにて

昨年12月に1stアルバム”Waiting For Amnesty”をCaprured Recordsからリリースしたトリオ、Floaters。↑の写真から想像できる通りのアウトロー・ドゥーム、スラッジは、労働終わりの1杯のように五臓六腑に染み渡る無骨、燻し銀、そして珠玉の1枚に仕上がっています。

Bass/VocalのMossa氏が勤める関内Thrashzone Meatballsで、自家製クラフトビールを飲みつつインタビューして参りました。

 

――結成の経緯から教えてください。

Junichi Ohashi(Drums)
2013年に。その時はまだモッサはいなかったんだけど、最初は俺とTanakaと、あとトッツ(Vocals)っていう・・・もういないんだけど(苦笑)。その3人でやるってことになって、ベース探そうって地元の知り合いでベース弾けるヤツいないかって探したら、モトイってやつがいて。で、4人でやっていって、いちばん最初のライブが小岩Bushbashで、対バンがInside Charmer

Mossa Hiro (Bass/Voice)
Junとは昔、Redwood Bluesで一緒だったんだよね。

Jun
ブッキングお願いしますってBushbash行った時に、対バン見たらInside Charmer。ここで会うとは・・・(笑)。

――そこでRedwood以来の再会ですか?

Mossa
何度かライブハウスで会ってはいたけど、久しぶりって感じだよね。5年とか6年ぶりぐらい。相変わらずだったけど。トッツもJunと知り合った時から知ってて俺が入ったのは2014年の秋ぐらいで、トッツの結婚式の二次会がデビュー戦(笑)。11月にデモ録って。Inside CharmerとFloatersでやりつつ、Nepenthesにも入って、バタバタしている間にヴォーカルのトッツが辞めるだ辞めないだ、三か月休ませてくれとかになって(苦笑)その間に止まってるのもなんだから3人で何かやる?って感じで・・・2回ぐらいやったんだっけ?

Yu Tanaka(Guitars)
いや、1回だけ(笑)。

Mossa
Floaters Lite(笑)。あのライブ色々あったよね(笑)
ライブ中に衝撃的な事があって最後の曲の頭のリフが飛んだもん(笑)

Tanaka
「なんだっけ?なんだっけ?」って(笑)。

――リフを忘れるほどの(笑)。

Mossa
衝撃的過ぎ(笑)そのあとプエンテの企画で岡山と大阪のツアーがあって、トッツはそこで結局辞めるってなった。西横浜El Puenteの周年イベントが決まってたんだけど、それも出れないっていうことで、じゃあとりあえず俺歌うわってことで。結局スタジオ入れなかったんだよね。バンドもこの後どうなるかわからないけど、とりあえずこの日は絶対やるからってなって・・・それがすこぶる良くて(笑)。終わって珍しくギターのYuさんが「どうしますか?これから」って。で俺が2人に「どう?」っ聞いたら、みんな手ごたえがあったからやろうと(笑)

Tanaka
それが去年の7月ぐらい。

Mossa
春ぐらいにはアルバム出したいねってなってたんだけど、俺が仕事とか忙しくて。やっと9~10月で録れてなんとか年内発売にこぎつけた感じ。スタジオ入って、じゃあ曲を書こう、何かアイディアある?って聞いたら、みんな携帯からゴソゴソやって(笑)、その場で曲を書いていくスタイル。俺が忙しくてスタジオ入る時間的余裕が無くて最後の方は俺とYuで2曲ずつぐらい書こうって。バンドで合わせて少し変更して。結構突貫工事だった。歌も超ギリギリだったよ。

Jun
俺らもレコーディングで初めて(歌を)聴いた(笑)。

Mossa
初日と2日目の途中まででオケ録って、ギター重ねてる時に仮で歌って、こういう感じかって。それまでリハとライブでしか歌ったことなかったから、どんな感じなのか確かめたくて。録音2日目のギター重ねてる時に俺は仕事に行かなきゃいけなかったから抜けて仕事に行ってリードとかは入れてもらってた。歌は10日後ぐらいに2人が仕事してる日の昼くらいから1人でVoid Lab)))に行って録った。早く終わってよかったよね。

“Waiting For Amnesty” (2017)

 

――HiroさんのヴォーカルはInside Charmerで聴いてたんで、ああいう感じかと思ってたんですが、全然違いましたね。こういう歌い方もするんだって。

Mossa
歌は特にまだまだ足りないからかなり頑張らないとなって感じ(笑)

――一足先にアルバム聴かせていただいたんですが、90年代スラッジ/ドゥームの影響を強く感じました。ちょうど90年代のバンドいろいろ聴いてたところだったからかもしれませんが。その辺みなさん直撃世代ですよね?

Mossa
まあね。俺達生まれたのが77年から79年ぐらいだから、90年代前半が高校生だね。

――当時こういう音楽聴いた時の印象ってどうでした?

Jun
俺はやっぱりEyehategodだね。全然知らなかったけどディスクユニオンに行って。当時ジャケ買いが自分の中で流行っていて、「Take As Needed For Pain」を。最初うーんって思ったんだけど、日が経つにつれ「カッケエ!」って。

Mossa
俺はSpiritual Beggars、Cathedralとかが衝撃だった。Inside CharmerもRedwood BluesもSpiritual Beggarsの曲からだし(笑)。あとRise Above系。

――ドゥームやスラッジと呼ばれることに対してはどうですか?

Mossa
元々好きだし(笑)。

Jun
客が観てそう判断してくれるなら。

Mossa
ドゥームやりたいと言うよりはカッコ良いと思った事をやりたい。これはバンドやってる人は全員そうでしょ。このジャンルやりたいってのもあるだろうけどカッコ良いと思った事をやってるだけでしょ。うちはそれがドゥーム、スラッジになっていると言うか。3人で曲書いたりしてる時に、自分では思い付かないようなアイディアがメンバーから出てきて試してみたら「おー、かっこいい」みたいな事もよくあるし。Inside Charmer、Redwood Bluesでは曲書き上げてからバンドでやってたけどFloatersはそうじゃない。結局カッコよければいいでしょ、っていう。この曲ここで終わるの!?みたいなとか、この変拍子何!?とかよくあるのがFloatersな感じ。

Tanaka
俺はドゥーム、スラッジのつもりはない(笑)。

Mossa
(Yuは)当時から聴いてたわけじゃないからね。Yuはもうちょっとメタルっぽいのが好きだから。

Jun
俺は元ヘルボトムだしね。

Mossa
ドゥーム、スラッジだわな(笑)。JunはGunship 666の元ドラムでもあって ベースのモトイ君が辞めた時に俺ともうひとり候補がいたんだよ(笑)。

Jun
最初にパッと思い浮かんだのはKhola CosmicaのKensuke。

Mossa
もともとKensukeは(JunとGunship666で)一緒なんだよ。ヘルボトムもやってたし。ヘルボトムは現GuevnnaのGoもやってたし、Khola Cosmicaのザックもいたし。

Jun
ヘルボトムはすごいよね。

Mossa
ヘルボトムの時に初めて皆と会ったんだけど新宿URGAでRedwood Bluesで対バンだったんだけど、職安通り歩いてたら前からすげえヒゲのヤツが来るの。(ライブを)見たら超良くて(笑)。Redwood Bluesのドラムが抜けた時にJunに連絡したけど「今はできない」って言われて。前の二万電圧の何かのイベント出た時、サポートドラムが見付からなくてRedwoodのギターヴォーカルがドラム・ヴォーカルやるって言ってベースとドラムの編成でやったんだけど、それ見たJunが「やべえ、俺やる」って。

Jun
十数年前だね。

――皆さん旧知の仲なんですね。

Mossa
ここ(JunとMossa)はそうだね。ここ(YuとJun)もGunshipのライブの時とかに行ってるから、みんな一緒の場所にはいたんだろうな。

――歌詞を書いてるのは?

Mossa
俺が頑張って書いてる(笑)。元々ヴォーカリストじゃないから大変・・・Inside Charmerで初めて書くようになったんだけど歌詞は一番最後に作る。録音しなきゃいけなくなったら歌詞を書かなきゃいけなくなって、それに伴いメロディを変えるってどんどんやる事が出てくるっていう(笑)

――今回歌詞カードは・・・?

Mossa
歌詞カードはありません(笑)

Tanaka
俺らも歌詞の内容は知りません(笑)。

Mossa
とりあえず全部ダメな奴の話・・・まぁ自分の話だね(笑)7曲目は酒を飲み過ぎて道を失ってる話。歌詞自体は長かったんだけど削って、サビの「聖なるホップの山を登ろう」しか歌ってない(笑)。

Tanaka
それは知ってるよ(笑)。

Mossa
Holy Hop Mountainにしようと思ったんだけど、それはちょっとやり過ぎかと(笑)。

――曲のタイトルにはzealot(狂信者)、Iconoclast(偶像破壊者)とか宗教的な言葉がありますが・・・

Mossa
Iconoclastは使わなければならなかった(笑)最後の曲”Most EXtreme ICOnoclast”は俺らの中でメキシコって呼ばれてる曲で。

Tanaka
出来た時にメキシコって呼んでて。

Mossa
だからMEXICOの文字だけ大文字にしてるの。メキシコありきで言葉を選んだ。

――”Most EXtreme ICOnoclast”は後半がIron Maidenみたいで。

Mossa
あの部分は俺達が馬に乗ってメキシコに逃げる西部劇なの(笑)。歌詞の内容は全然違うけど(笑)

――”Waiting For Amnesty”というアルバムのタイトルの由来は?

Mossa
これもYuのアイディアでメキシコから繋がってる。何故俺たちが国境を越えてメキシコに逃げなくてはいけないのか、Floaters(クソ野郎)だからこれしかできませんって感じで「これで赦して!」っていう。恩赦(Amnesty)が欲しい。

Tanaka
最後の曲の最後のパートは無かったんですけど合わせてる時に、このリズムで。西部劇の感じはずっとやりたくて。

Mossa
ギャロップな感じは確かにIron Maidenっぽいんだけど、おれたちの中では西部劇。夕日に向かって走るやつ(笑)

Tanaka
国境に向かって走ってる(笑)。日本語で恩赦っていうイメージだけ浮かんで語感の良さで。

Mossa
「Pardon letterじゃ締まんないな・・・Amnestyで」ってスタジオで決まった。

――アルバム通してのコンセプトがある、とかではないんですね。

Mossa
そういうのではない(笑)。

Tanaka
内容はちゃんとわかってないですけど、大体Hiroさんの言葉というか。

Mossa
俺の思ってること、感じてることとか。あることないこと膨らませて(笑)。なので駄目な奴の話ばかりなの(笑)

Tanaka
1曲、歌詞が全く決まってなくて、じゃあタイトルだけつけていいですか?って「狂信者の願い」ってつけさせてもらって、これで膨らませてくださいって。

――タイトルだけ見ると色々深読みできそうですね。

Tanaka
あと1曲だけすごい感情的な・・・。

Mossa  
ハハハハ

――Get Back My Soulはもしかして曲もHiroさんですか?

Mossa
そう(笑)。Floatersっぽくないのを、アルバムが一本調子にならないように違うヤツを入れたいっていうのがあって書いた。もうちょっと短かくしたかったんだけど長かったね(笑)。あともう1曲 1人で書いてる。

Tanaka
3曲ジャムで、1曲は4人時代の曲のリアレンジで、残りの4曲をそれぞれで(TanakaとMossa)。

――デモのトレイラー動画は映画ネタでしたね。

Jun
B級ホラーとかその辺好きだから。

――先ほど言ってた西部劇も元ネタあったりするんですか?

Tanaka
元ネタというかクリント・イーストウッドがとにかく好きで。あの人はいるだけで絵になる。

Jun
俺は西部劇といったらジョン・ウェインだな。ミスター西部劇。

――機材や音作りに関してはどうですか?

Jun
機材に関してこだわりがあるのはこの二人だね。

Mossa
こだわりは、見た目が馬鹿馬鹿しい(笑)。あとはネーミングがアホとか。ダンウィッチ・アンプのウィザーズ・ファズだよ?見たことある人はわかると思うけど、魔法使いの絵が描いてあって、杖の先がONにすると緑に光る(笑)。あとエグく歪む。下手になるから考えた方がいいって言われたけどね。もうちょっとローエンドは欲しい。まだ足りない。

Tanaka
ギターは・・・抜けにくいのはありますよね。

Mossa
この手の音楽やってりゃ抜けにくいのはついて回るよね。

Tanaka
ベースが歪んでるってのもあるし。おれもハイ寄りのキンキンした音が好きじゃないから。

Mossa
二人とも音の好みが下の方に寄ってる。

Tanaka
ギリギリ抜けるところまでしかハイを上げないっていう。今回ギターはすごく気に入った音で録れましたね。

Mossa
ベース単体でも、歪んだところのギャリッっていうところは出したいけど、バキッっていうのとも違うしなっていう・・・。アイスクリームを揚げたみたいな音(笑)外はカリっと中はトロっとじゃないけど(笑)とりあえず馬鹿みたいなローエンドと、馬鹿みたいな歪みは欲しい(笑)。「頭悪いんだなコイツ」っていうぐらいのが欲しい。

Tanaka
録音はいい感じで録れてる。ほとんど手を加えてない、Orangeの一番カッコいい音が出たかな。

Mossa
ベースはキャビがローエンドを再生しきれない感じだったから出したい所を言ってローエンド足すようにイコライジングとかした。それやるとギターが霞むんじゃないかって皆言うけど、帯域違うし、下出した方がガッツのある音になると思ったから。

Tanaka
もっと埋もれると思ったけど全然埋もれなかった。

Mossa
アルバム録る時に、どんな音にしたい?って他のメンバーに聞いたの。そしたら特にレスポンスが無い(笑)。

Tanaka
だって、無いよ!

Jun
俺は粘り気がある音。粘りを求めて始めたから。

Mossa
音に対してそこまでどうこうしたいってのは言わなかったけど、思ったとおりになったな、ってぐらいで。

――そこはバンド内である程度、共通認識がみたいなものがあって。

Jun
俺はBilly Andersonのドラムの音が大好きで。

Mossa
そこは間違いなく良いから!っていう共通認識だね。ちょっと録って聴いてを繰り返して、こうしようっていうので決めた音。録った後にミックスの時点で、もっとこういう感じっていうのもしたし。歌に関してはさっぱりわからねえから(笑)、最初、素で録って、よくわかんない(笑)。ちょっと歪ませる?定位を広くする?ぐらいしか言ってない(笑)。

Tanaka
歪ませてるんですか?

Mossa
歪むギリギリ前のところ。頭打ってるみたいな感じを出した。それを自分の喉でもっとダーティにできればいいんだけど。気持ちダーティな感じを出したいってところで機械に頼った(笑)。

――アルバムのリリースはどんな経緯で?

Mossa
今回Captured Recordsで出させてもらうのは、Inside Charmerの時からJeroさんに声掛けられてて。まず2017年の総武線バイオレンスは(Floatersで)こっちから先に出たいって言って出させて貰う事になって。何ヶ月後かにJeroさん(Abigail、Captured Records)がプエンテに来た時に話をして、録ろうと思ってるんですよって話したら「うちからどう?」ってことで。

–アートワークは誰のものですか?

Mossa
プエンテ繋がりで今ニューヨークのブルックリンで活躍してる岡野真人さんにお願いして描いてもらった。太平洋を挟んでコラボレーション(笑)真人さんにはNoothgrushとの日本ツアーのフライヤーも描いて貰ってて真人さんしか居ないでしょと。オケ録ったのを送ってそれを聴きながら描き始めてくれて途中で歌も載せたのも送って描きあげてくれた。

――ベタな質問ですが、人生を変えたアルバム5枚を教えてください。

Mossa
Black Sabbath – Black Sabbath、Spiritual Beggars – Mantra III、The Wildhearts のB面の曲がいっぱい入ってるベスト盤、The Beatles – Let it beあとCathedral  – Endtyme

Tanaka
PanteraのVulgar、OzzyのBlizzard of Ozz、David BowieのZiggy Stardust、ZeppelinのIIかIV。最近の俺に影響与えたってなるとDOWNのNoLa。

Jun
G.I.S.M.、DEATH SIDE、LYNYRD SKYNYRD、EYEHATEGOD、PANTERA。

Mossa
俺達メタル、ドゥーム、ハードコア、みたいな(笑)。

――すごい腑に落ちる感じが(笑)。ハードコアっぽいパートがあるのはJunさんで、メタルっぽいところはYuさん、ドゥームはMossaさんで。

Mossa
ハードコアのエッジもあって、メタリックな刻みのリフもあったりするし。そこがらしいな、と思う。メンバーそれぞれの特徴がパート、パートで出てるのがFloatersのいいところかな。

Tanaka
いろんなのがミックスされたバンドがいいと思うんですけどね。

Mossa
別に新しいジャンルを作ろうとは思ってない。ただ自分達なりのカッコいいことをやりたい。

Tanaka
もう完成されていると思うからね、カッコいいジャンルは。

Mossa
あとはどれだけ自分で納得できるものを生み出せるか、それが大事かな。

Tanaka
現場でカッコいいのを俺たちがやらないと残らないかなって。

Jun
若いやつにがんばって欲しいけどね。

Mossa
どこも同じこと言うだろうけど、うちらもカッコいいことやりたいだけ。じゃないとやってられないよ。恩赦もらうためにやってるんだから(笑)。「あなたの恩赦、待ってます」だからね(笑)。

Tanaka
「あなたの恩赦、待ってます」キャンペーンやろうか(笑)。トッツの顔写真Tシャツをプレゼント(笑)。

Jun
ヒゲの長さキャンペーンとかね。Hiroさんと俺のヒゲの長さ足して、それより長い奴は入場無料。

Tanaka
なかなかいねぇだろうなあ(笑)。来たら面白いけど。

――ライブとかツアーの面白いエピソードが多そうですが、言える範囲で何かありましたら教えてください。

Tanaka
トッツが2回バックれたことある(笑)。

Mossa
面白かったのは彦根かな。ライブ終って対バンの人達は打ち上げ行っちゃって俺達は疲れたからハコで寝るってなったの。ケータリングがあったから食べていいって言われてて、酒も生ビール以外は飲んでいいって言われてたけどメンバー3人は直ぐに寝ちゃって俺は起きてたから何か食いながら酒開け始めたらいきなり、「Hiroさん、打ち上げ行かないの~?」って寝てる筈のトッツがいきなり言ってきたんだよ。あいつ寝たふりしてやがってたの(笑)。トッツと二人で飲み始めて、飲み終わった缶をカウンターに並べてって朝5時ぐらいにJunとYuも起きてきて、残り数本だったから「全部飲んでくれ」って。

Tanaka
起きていきなり「ビール飲めよ」って(笑)。

Mossa
全部飲み終えたところに主催者が返ってきたから寝たふりしてたら「Floatersもう絶対呼ばねえ!」って(笑)。

Tanaka
ロクなことねえよ、あそこ(笑)。

Mossa
Floatersは寝たふり事件多いよね(笑)。あと2つはTanakaとJunが俺に対してそれぞれ(笑)でもこれは流石に言えないなぁ(笑)。人から観たFloatersってどんな感じなんだろ?

――サグいというかアウトロー感ありますね。

Mossa
悪ふざけしかしないけどね(笑)

Tanaka
MCあんまやらないし・・・ヘラヘラしてるだけだし(笑)。もっとカッコつけた方がいいのかな。

Mossa
話すと「なんかすいません」みたいな感じになっちゃうから・・・もっとワルイ感じで、「地獄へ落ちろ!」とかやった方がいいのかな(笑)。

――それ、Redwood Bluesじゃないですか(笑)。

Mossa
マイチョ(My Choice、Redwood BluesのVocals/Guitars)にMC担当で入ってもらうか(笑)。

Jun
Hiroさん口パクでね。

――聞こえ悪かったらアレですけど、Floatersは労働者階級のロックって感じもします。

Jun
まさしくそう。

Tanaka
イメージしてる感じもあるよね、うちら。

Mossa
俺たちは糞だからね。バンド名からしてそうだし。Matt(Kaala)がこの前、日本に戻ってきた時、「なんでFloatersって名前なの?」って聞かれて、だって俺達クソだからって。

Jun
Alpacaにも「どういう意味なんだ?」って聞かれたんだよね。便器に浮かんでるクソだって言ったら「ウオー!!!」って(笑)。

Tanaka
それは後からだよね。最初は浮いてるやつ、浮世離れとか。

Jun
でもFloatersで検索すると便器にウンコが浮かんでる画像とかいっぱい出てくるよ。

――不思議ちゃんって意味もあるみたいですね。

Mossa
スクールカーストのね。おれたち不思議ちゃんだから(笑)。

Jun
俺も不思議ちゃんだなあ。

Tanaka
その発言やばいよ(笑)。

Mossa
こいつ(Jun)は不思議ちゃんと言うかヒドいよ。無茶苦茶だよ。

Jun
コンビニで悪さしたら警察に捕まって、身体検査されたら大麻が出てきて・・・。で、1カ月ぐらい入ってたのかな。固い椅子があるの。それに3時間ぐらい座らされて聴取された。その時、ちょうど知り合いも捕まってて、久しぶり!みたいな。「俺はガサ入れでさ~」とか。

――やっぱりサグいじゃないですか!

Mossa
こいつはサグ担当だよ(笑)。こいつとトッツはマジでヤバい。

Jun
何回捕まったことか・・・。ダイムバッグ・ダレルが死んだ時に、六本木にダレルの顔写真のポスターを張りまくったら警察に捕まって。

――(笑)。いい話ですね!

Mossa
結婚して落ち着いた感じ?

Jun
そうだね。結婚してなかったら相当ヤバい感じに・・・。

Mossa
そんな感じでFloatersはとにかくクソ野郎です!

――今の時代、そういうのが忌避されるというか。そういうノリ好きな人多いと思うんすけどね。

Mossa
Floatersはそういうネタいっぱいあるからね(笑)。

――なんか、いい空気ですね、バンドとして。

Mossa
うん、そうだね(笑)

――今後の予定などありましたら教えてください。

Mossa
発売して最初のライブは総武線バイオレンス。そのあと都内はRubyroomでフリーギグが1月29日。うちの主催は2月4日にEl Puenteで。

Tanaka
今後、力暴力(ちからぼうりょく)バンドをやります。

Mossa
プエンテのスタッフのパンキュさんと(笑)

Floatersライブ・インフォメーション
01/27 福生Chicken Shack
01/29 渋谷Rubyroom
02/04 西横浜El Puente(レコ発企画)
02/15 西横浜El Puente
02/23 西横浜El Puente
03/10 西横浜El Puente

https://floatersjapan.bandcamp.com/
https://facebook.com/floaters.japan/
https://twitter.com/TxJun666[:]

Column: Rest In Pain…「10 Great acoustic songs by Doom, Sludge bands/musicians」

2014年07月 著者:梵天レコード

Doom Rock(Metal),Sludge Coreといえば、重い! 遅い!が信条の音楽。

デス・メタルやグラインド・コアと同じくエクストリーム・ミュージックに分類されるジャンルだが、70 年代、もしくはそれ以前のロック、ブルース等に根差している為、ヘヴィさがすべてではない―ルーツ・ロックが根底にあるからこそ、Doom,Sludgeにはアコースティックという、もう一つの魅力的な一面があるのだ。

The Obsessed他のWinoBuzzov.enKirkなど、ドゥーム、スラッジ・バンド / ミュージシャンがアコースティックの活動を行っているケースも多い(この辺は後述)。日本ではEternal Elysiumの岡崎幸人氏が弾き語りライブを行っていることが記憶に新しい。

エクストリーム・ミュージックの歴史は、機材の発達と演者たちによる極限のヘヴィネスの追及の歴史であると言える。
Sunn O))) のライブに行けば”眼玉が震える”程の轟音が体感できるだろう。
だが、然るべき人間の手にかかれば、囁くだけで、アコギを爪弾くだけで、心に迫る “真のヘヴィネス” が生まれるのだ。

去る6月29日に西横浜 Bar El Puenteで行われたアコースティック・イベントに国内のDoom系ミュージシャンが複数参加していたので、そのレポートと併せて今回のコラムでは、アコースティックというDoom,Sludgeのあまり取り上げられることのない一面を紹介していこう。

 

Sad Smile vol.2@ 西横浜 Bar El Puente

一番手は今回のイベントの企画者でもあるInside Charmerの もっさヒロ 氏。

Inside Charmerは、重い! 遅い! 尺長い!というまさに王道ドゥーム。この日はそのInside Charmerでも光るメロディ・センスを存分に生かしたライブとなった。

オリジナル2曲とInside Charmerの曲を1曲披露。 個人的には Wino の弾き語りに近い印象を受けた。

三番手に登場したのが梵天レコードよりリリースしたドゥーム・コンピレーション“All The Witches’ Day”にも参加してくれたスラッジコア・バンドZothiqueのヴォーカル & ギターのシモナカ氏とドラムのウエノ氏(本ライブではギター)。

David Alan Coe – “River”、Hank Williams III – “Gone But Not Forgotten”、中島らも – “いいんだぜ”という、“アウトロー”・アーティストのカバー三曲を披露。

四番手の錐針(すいばり)はオルタナ~シューゲイザーの影響も感じさせるドゥーム・バンドBlack Creek Driveのギタリスト、Kusumi氏と東京のスクリーモ・バンドBackstitchのヴォーカル、蓮理氏のユニットで、この日唯一の女性ヴォーカル。ポップな楽曲を挟みつつも、女の情念渦巻くダークな楽曲を中心とした構成。歌謡曲的なドロドロした感じではなく、オルタナ~グランジ風の乾いた“黒さ”を強く感じた。
この日のライブ動画はこちら。

 

 

10 Great acoustic songs by Doom, Sludge bands/musicians.

Trip Thru Recordsの選ぶDoom, Sludge系バンド/ミュージシャンによるアコースティック・ソングBEST10(順不同)

 

Acid Bath – “Bones of Baby Dolls” from “The Kite String Pops”(1994)

Acid Bathといえば、メロディとヘヴィネスが融合したサウンド(なんてチープな表現!)が魅力ですが、解散後にギタリストのSammy Duetが結成したGoathwhoreとヴォーカルのDax Riggsが結成したバンドやソロを聴き比べると、各人のAcid Bathでの役割が見えて面白いですね。
2ndアルバム収録のアコースティック・ナンバー“Dead Girl”も名曲。こちらはDaxのバンド、Agents of Oblivionのアルバムにロック・ヴァージョンで再録されています。
Daxの書く歌詞も素晴らしいので、是非聴きながら読んで頂きたい。

 

Cathedral – “Solitude”(Black Sabbath cover)from “Masters of Misery”(1997)

フルートを加えた、ComusMellow Candleが大好きなLee DorianらしいアレンジのBlack Sabbathカバー。
何よりLeeのディープな歌声が素晴らしい。

 

Wino – “Adrift” from “Adrift”(2010)

ドゥーム神ワイノ。もはや説明は不要ですね。聴いて咽び泣け!
Conny Ochsとのコラボ盤も必聴。

 

K. Lloyd – “Never Try” from “Solow”(2010)

スラッジコア・バンドBuzzov.enのヴォーカルKirk Lloyd FisherのBuzzo.ven解散後のソロ(Buzzov.enは2010年に再結成)。Buzzov.enとはまた一味違った、やさぐれ感たっぷりの彼の歌声を堪能できるアウトロー・ブルース。Kirkは、Eyehategod, Down, The Mystic Krewe Of ClearlightのJimmy Bower、Soilent GreenのBrian Pattonらと共にサザン・ブルース・プロジェクトK. Lloyd & The Disciplesとしても活動。

 

Waldsonne – “Pain of Senses” from “Wanderer”(2008)

ロシアのヘヴィ・サイケ・ストーナー・バンドThe Re-stonedのギタリスト、Ilya Lipkinが在籍するアシッド・フォーク・バンド。歌っているのはIlyaの奥様Veronika Martynova。The Re-stonedはEarthless辺りを思わせるインスト・バンドだが、Jefferson Airplane – “Today”、Pink Floyd – “Julia Dream”をアシッド・フォーク風にカバーしている(“Plasma”(2013)収録。こちらも歌っているのはVeronika Martynova)。

 Weedeater – “Woe’s me” from “16 Tons”(2002)

Sourvein,Bongzilla,Buzzov.enの“Dixie” Dave Collins(Vocal, Bass)がBuzzov.en解散後に結成したバンド。
バンド名通りの怪しい煙がモックモクのスラッジコアから唐突に現れるブルース・ナンバー。
右手にウィスキー、左手にジョイントを構えて聴きたくなるような一曲。

 

Magnus Pelander – “Stardust” from “Magnus Pelander”(2010)

「これ、60年代の作品じゃないの?」と思わせてしまうほどヴィンテージな作風で衝撃のデビューを飾った、スウェーデンのドゥーム・ロック・バンドWitchcraftのヴォーカル、MagnusがWitchcraft停滞中に発表したソロ。
Witchcraft史上最もサイケ色の強い3rdアルバム”Alchemist”の日本盤ボーナストラックに収録されたRoky Erikson(アメリカのサイケデリック・バンド、13th Floor Elevatorsの元フロントマン) – ”Sweet Honey Pie”のカバー路線をさらに推し進めたような牧歌的アシッド・フォーク。2012年発表のWitchcraftの4thアルバム“Legend”は、一転してメタル色を強めた作品となっている。

 

 

Corrupted – “月光の大地” from “Se Hace Por Los Suenos Assesinos”(2004)

 

 

 

 

 

 

 

仙人が俗世を憂いているかのようなHevi氏の歌声と物悲しいアコギのみで構成された、17分に及ぶCorrupted史上最も異色なナンバー。正座して聴きましょう。
2011年リリースの4thアルバム“Garten Der Unbewusstheit”ではこの曲をアレンジした“Gekkou no Daichi”が収録されている。こちらはアコースティックなのは最初と最後の数分間のみ。

 

Southern Isolation – “Southern Man I Am” from “Southern Isolation” (2001)

Downの“Where I’m Going”にしようかと思ったが、意表をついてこちらで。
Pantera, Down, Superjoint Ritual等のPhil Anselmoと、Philのブラック・メタル・プロジェクトViking CrownNecrophagiaでキーボードを担当していたStephanie Weinsteinによるユニット。Philはプロデュース、作曲はすべてStephanieが担当。 「南部の男(ひと)、その手で私を連れ去って」 「俺は南部の男さ」と惚気るデュエット・ナンバー。いやあ、いいカップルだねえ。離婚したけど。
Philにアコースティックでアルバムを作って欲しいと思うのは筆者だけだろうか。

 

Trouble – “Rain” from “Unplugged”(2009)

初期はドゥームメタルの最重要バンドであり、90年代以降はハード・ロック色を強め、”Manic Frustration”などのマスターピースを創り上げたTroubleのアコースティック・アルバム。この曲は“Manic~”収録曲の再録ヴァージョン。
Eric Wagnerは脱退し、現在のヴォーカルは元Exhorder他のKyle Thomas。Eric WagnerはBlackfingerを結成して活動中。

 

番外編 EXTRA

Doom, Sludgeではないが、その界隈とも繋がりがあるバンド/ミュージシャン。

Hexvessel – “I am The Ritual” from “Dawnbearer”(2011)

ブラック・メタル・バンドDodheimsgard等で知られるイギリス人ミュージシャン、Kvohstを中心に結成されたサイケデリック・フォーク・バンド。Kvohst以外はフィンランド人のメンバーで構成されている。Roadburn Festival 2013内でElectric Wizardがキュレートした“Electric Acid Orgy”に出演、Lee Dorianが絶賛するなどドゥーム系ミュージシャンからの支持が厚い。現時点の最新作”Iron Marsh”(2013)にはPursonのRosalie(オノ・ヨーコのカバー!)、Blood CeremonyのAliaがゲスト参加している。

 

Chelsea Wolfe – “Spinning Centers” from “Unknown Roms: A Collection Of Acoustic Songs”

カリフォルニア出身の女性ゴシック・フォークSSW。
カリフォルニア出身とは思えない、呪術的かつ鬱屈としたサウンドは、“ドゥーム・フォーク”、“メンヘラ・フォーク”とも形容される。
彼女もRoadburn Festival 2012に出演、わが国ではDaymare Recordsが2012年に1st,2ndの国内盤をリリースし、GodfleshSunn O)))Deafheaven等が出演したLeave Them All Behind 2012で来日。

 

番外編その2 EXTRA Part.2

完全なるおフザケ。

Acoustic Wizard – “Vinium Sabbathi” from “Please Don’t Sue Me vol.2”

Electric Wizardの曲をアコースティックでカバーするという、キマってる時に思いついたことをそのままやっているとしか思えないプロジェクト。「お願いだから訴えないで」というタイトルからも明らかなお遊びプロジェクトだが、やってることは至ってマトモ(?)、というか、かなりイイ。

 

Trippy Wicked – “Killfornia” (Church of Misery cover)

英国のストーナー/ドゥーム・バンドTrippy Wickedのメンバー二人がyoutubeにアップしている、アコギとウクレレによるドゥーム/スラッジ・バンドのカバー。チャーチのこの曲以外ではEyehategod, Weedeaterなどをカバーしている。ウクレレが意外とハマっている。