UKドゥーム/ストーナー・レジェンドACRIMONYの4LP BOXセットが発売!

ACRIMONY – “Chronicles of Wode”

90年代の英国ドゥーム/ストーナー・シーンの代表格的バンドACRIMONYの4LP BOXセット“Chronicles of Wode”Burning World Recordsより発売。直販価格は€75。

廃盤のため入手困難となっていたアングラ・ドゥーム/ストーナーの隠れた名盤1st “Hymns To The Stone”(94年)、過去には日本盤が二度に渡りリリースされたマスターピース(こちらも廃盤) 2nd “Tumuli Schroomaroom” (97年)は単品でもリリース (アナログのみ)。

収録されている楽曲は2019年最新リマスター仕様!アルバムのジャケットもリニューアルされています!

現在、予約受付中。発送時期は2020年1月中旬となっています。デジタル版は12月7日発売。祝・再発!

“Chronicles of Wode” Delux Box Set 収録内容:
Hymns To The Stone LP (2019 remaster) on blue vinyl
Tumuli Schroomaroom 2LP (2019 remaster) on blue vinyl
Extra Tracks LP (2019 remaster) on blue vinyl
3CD with all 3 albums in digipack
Chronicles of Wode T-shirt
Acrimony logo patch
Acrimony story booklet by JJ Kocsan from The Obelisk

https://www.burningworldrecords.com/

https://burningworldrecords.bandcamp.com/

関連記事:

https://peckinpah.jp/wp/2019/08/10/review-acrimony/

「ウェールズの何処か――山の頂で、片目のノスリが空に向かって啼いている……」伝説のUK Stoner/DoomバンドAcrimonyの灰から生まれたSigiriyaインタビュー

USシアトルのドゥーム/ストーナー・バンドSUMMONED BY GIANTS来日直前インタビュー!

聞き手:梵天レコード

日本のドゥーム/スラッジ・トリオFLOATERSとの日本ツアーが控えているUSワシントン州シアトルのSUMMONED BY GIANTSインタビュー。

2015年に結成。ブラックメタル、パンクロックなど様々なジャンルの影響を受けたドゥーム/ストーナー・バンドで、これまでElderConanWitch Mountainなど国際的に知られたバンドと共演し、この度、初のジャパン・ツアーを行います。
今年1月に2ndアルバム『Azimuth』をリリース。Neighborhood of Ballardで録音されたサウンドは重いグルーブからブレイクダウン、ギターソロなど彼等の懐の深さが伺えます。同アルバムのマスタリングを手掛けたのは、NIRVANASOUNDGARDEN、最近ではHIGH ON FIREWINDHANDの作品のプロデュース等でも知られるJack Endino。

ジャパン・ツアーは4月13日土曜日からスタートです。

――時間を取っていただきありがとうございます。まず最初にSUMMONED BY GIANTSの歴史を教えてください。

活動を開始したのは2014年の後半。JordoとPatrickがやっていたEntmootというツイン・ベースのプロジェクトが自然消滅して、SeanはPouchというバンドでギターをプレイしていたんだけど、ドラムをやりたいと思っていた。その時、僕らは3ピースだった。その後、Seanがギターに戻りたがった。スネアで拳を傷め続けていたからね。いつもショウの後はそこら中血まみれになっていたよ。僕たちはLion Pincherという他のプロジェクトにいたMelを加入させて、Lion Pincherの曲をSBGでやるようになった。

――バンド名の意味、由来を教えてください。

Jordoが「指輪物語」の大ファンでね。木々が戯れている(編注:エントのことかな?)のと関連がある。僕らみんなその名前が気に入っているよ。

――今年1月にアルバム『Azimuth』をリリースされましたね。アルバムはどこでレコーディングしたのですか?レコーディング・プロセスはどのようなものでしたか?

2018年の5月にシアトルにあるSoundhouse Studioでレコーディングを始めた。エンジニアを務めてくれたのは僕らの友人でもあるMikel Perkins。レコーディングとミックスに5日ほど掛かった。初日に全曲を5、6テイク録って、細かな手直しと編集をした。丸2日掛けてミックスと、Jack Endinoのアレイ・アンプを使ってオーヴァーダブをした。そのうちのひとつはKurt Cobain(NIRVANA)が使っていたかもしれないものだよ。僕らの作業が終わった後に、Mikelが数週間掛けてミックスを仕上げた。彼はとても時間を掛けてパーフェクトに仕上げたがっていた。その後、同じスタジオでマスタリングをして、1月21日、皆既月食の夜にリリースした。

――SBGはドゥーム/ストーナーと形容、カテゴライズされていますが、アルバムを聴くととてもバラエティ豊かな音楽性ですよね。ご自分ではどう思っていますか?

人に僕らのサウンドをひとつのジャンル、カテゴリーで説明するのは難しい。というか、基本的には不可能だよ。僕らはメタル・バンドだけど、グルーヴィな曲もある。パンク、ブルースの曲もあるし、デザートロック風の曲もある。ツアーでプレイしている最近の曲は間違いなくドゥームだよ。Jordoはエピックなストーナー・リフを切り札に隠し持っているしね。メンバー全員作曲をするし、みんなの膨大な音楽性を楽しんでいるよ。それに僕ら皆、異なる地域の出身なんだ。Jordoはボストン、Seanはミシガン、MelはワシントンDCで、Patrickはシアトルの出身だ。SBGにはメンバーの育った地域の影響が間違いなく反映されている。僕らはワンパターンになったり、特定の作曲方法に縛られてしまいたくないんだ。そうすれば決して退屈しない。僕らがバンドとは何かを常に見直していくことができれば、望む方向へ進むことができるんだ。

――Floatersとの日本ツアーが控えていますが、彼らのことは知っていますか?また知っている日本のバンドはいますか?

Kaalaというサイトを運営している友人のMattが、レコーディングが終わったら短いツアーをやってみないかって尋ねてきた。彼がFloatersと僕らをつないだんだ。その後、彼らのサウンドを聴いてみたら、ツアーの相手として完璧なマッチングだと思った。僕ら皆、彼らの曲を気に入っているし、一緒にプレイできることにエキサイトしているよ。

アメリカで生まれ育った者として、勿論Borisは大好きだ。それからSIGHETERNAL ELYSIUMNOCTURNAL BLOODLUSTも好きだね。今回のツアーで共演するバンド達からサプライズを受けることを願っているよ。

――SBGのライブはどのようなものですか?

ラウド、ブ厚いリフ。ノイジーでカオティックでに思えるかもしれないけど、その後すぐに止まる。僕らの音楽は感情の大きな起伏を通過して、君たちの目の前に届く。Seanのギター・サウンドは絶えず変化し、あらゆる異なった形へと姿を変える。Patrickは最近動きが激しいから終わる頃にはバーの裏側でプレイしているかもね。僕らは永遠に続けていられるような、ビッグなアウトロが好きなんだ。

――日本で楽しみにしていることはありますか?

アメリカを離れるのはいい気晴らしになるよ。人類史上最も愚かな時代を迎えた国から離れて、気分を一新する。飛び出して今までとは違った人生を歩んでみることこそ、僕らに必要としていることだ。一緒にプレイし始めた頃からツアーに出ることを夢見ていたんだ。僕らがここで愛していることを日本で行うというアイディアに圧倒されているよ。僕ら皆、ギター・ストアへ行って、アメリカでは手に入らない新しいペダルをたくさん試してみたいんだ。SeanとMelは日本人の家族がいるから、彼らは家族に会えることを喜んでいるよ。

Patrickは任●堂で働いていたんだけど、面倒なヤツだったからクビになっちゃってね。きっと本社に凸りたいんじゃないかな。彼は超オタクで、格闘ゲームがホットな場所へ行って地元の人たちに挑戦したがっているよ。

――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

君たちの前でプレイできる機会を与えてくれてありがとう。一生懸命にプレイするから、来てくれたら失望はさせないよ。君たちも全力でぶつかってきてくれ。そうすれば僕らのシアトルにいる友達全員に日本でプレイする必要があるって知らせられるからね。

https://www.facebook.com/SummonedbyGiants
https://summonedbygiants.bandcamp.com/

Summoned By Giants & FLOATERS JAPAN TOUR —GEMINATE OUTLAWS TOUR—

4/13(土)場所:中野MOONSTEP
Summoned by Giants
Floaters
Lifeblood
Worship Pain
Crash Syndrom
Bafomet
Mortify
Harappa

前売/当日 2,500/3,000円 + 1drink
学生(要学生証提示) 2,000円 + 1drink

4/14(日)場所:渋谷 Ruby Room
FLOATARS
Summoned By Giants(Seattle)
Khola Cosmica
ZOTHIQUE
穴虎69
Her Vomit is Modern…
Black Creek Drive
DJ ロベルト吉野

¥2000+1D
OP 1530/ST 1600

4/17(水)場所:岡山pepperland
SUMMONED BY GIANTS
FLOATERS
THE BOME STONE
TILL EWING
HOLY PISS
dios del mal

OPEN19:30 START20:00
¥2000+ drink charge¥500

4.18(木) 場所:アメリカ村 HOKAGE
Summoned By Giants (Seattle)
FLOATERS (Yokohama)
GARADAMA
The Probes

OPEN/START:19:00/19:30
前売/当日2,000yen/2,500yen (+1drink)

4/19(金) 場所:名古屋 HUCK FINN
Summoned By Giants(USA)
Floaters(西横浜)
nibs
Dethfast
Wet Bream

open/start 18:20/18:40
前売/当日¥2000+1d¥500

4/20(土)場所:長野 VENUE
Summoned By Giants (Seattle)
Floaters (東京)
GATE (栃木)
GODS OF GRIND
YxAxD
INVICTUS
DJ 平林兄弟 (ROW-GUN & Te2o)

¥2,000
OPEN 17:30 / START 18:00

4/21(日)場所:西横浜 EL PUENTE
KANDARIVAS
SERINGAI
TARING
FLOATERS
SUMMONED BY GIANTS
VERITAS CONC.75
DISASTER
SLAMMING AVOID NUTS
FUCK ON THE BEACH

[open] 15:00- [start] 15:30-
[adv] 2000yen [door] 2500yen

THE MELVINS、Mark Lanegan、PALLBEARERらが参加したPINK FLOYD – The Wallのトリビュート・アルバム『THE WALL [REDUX] 』が11/9にリリース!

クラウドファンディング・サイトKickstarterのプロジェクトとしてスタートしたPINL FLOYD – The Wallのトリビュート・アルバム『THE WALL [REDUX] 』が11月9日にリリース。

MELVINSMark Lanegan(ex-SCREAMING TREES, ex-QUEENS OF THE STONE AGE)、RUBY THE HATCHETYAWNING MANGREENLEAF…etcとメンツが豪華すぎる・・・!

発売元はMagnetic Eye Records

https://www.merhq.net/
https://magneticeyerecords.bandcamp.com
https://twitter.com/magnetic_eye

THE WALL [REDUX]
トラックリスト:
Side A
1. In the Flesh? – The Melvins
2. The Thin Ice –  Low Flying Hawks
3. Another Brick in the Wall, Pt. 1 – Ghastly Sound
4. The Happiest Days of Our Lives – Sergeant Thunderhoof
5. Another Brick in the Wall, Pt. 2 – Sasquatch
6. Mother – ASG

Side B
1. Goodbye Blue Sky – Mos Generator
2. Empty Spaces – Domkraft
3. Young Lust – The Slim Kings
4. One of My Turns – Worshipper
5. Don’t Leave Me Now – Spaceslug
6. When the Tigers Broke Free – Year of the Cobra
7. Another Brick in the Wall, Pt. 3 / Goodbye Cruel World – Greenleaf

Side C
1. Hey You – Summoner
2. Is There Anybody Out There? – Scott Reeder
3. Nobody Home – Mark Lanegan
4. Vera – Ruby the Hatchet
5. Bring the Boys Back Home – Sunflo’er
6. Comfortably Numb – Mars Red Sky

Side D
1. The Show Must Go On – Open Hand
2. In the Flesh – Solace
3. Run Like Hell – Pallbearer
4. Waiting for the Worms – WhiteNails
5. Stop – Blue Heron
6. The Trial – Church of The Cosmic Skull
7. Outside the Wall – Yawning Man

新たな方向性を提示した”Conspiracies”EPをリリースした 東京拠点のスラッジ/ストーナー・バンドGUEVNNAインタビュー!

インタビュー・文:梵天レコード

Doom/Stoner/Sludgeを特集したペキンパー第五号がおかげさまで好調です。
インタビュー、コラム、ディスク・ガイドを通して国内外問わず数多くのバンドを紹介しましたが、
注目すべきバンドはまだまだいます。
国内に関して言えば、まずその筆頭にGUEVNNAの名を挙げたい。
2011年結成以降、国内外での積極的なライブ、音源リリースを重ね、
この度、初となる単独音源にして新たな方向性を提示した4曲入りEPを発表。
7月にはフランスのAGUIRRE、盟友のZOTHIQUEとのツアーも控えている彼らに話を聞いた。

――まずは結成の経緯からお願いします。

Ryo (Vo)
2011年に、僕がずっと好きなBONGZILLAIRON MONKEYみたいな路線の音楽をやりたいなと思い、その2バンドが好きという条件でメンバーを集めて結成しました。Raizo (G)は昔やってたバンドで一回一緒にやったことがあるバンドのギターで、MELVINSのTシャツ着てたのかな? それを覚えていて、まずは彼に声をかけて。Komi (B)も元々知り合いづてで、短期間だけど一緒にバンドをやっていたことがあって。所謂ドゥーム、スラッジ、ストーナーといったジャンルをお勉強してるかどうかはどうでもよくて、BONGZILLAIRON MONKEYが好きであれば他はどうでもよかった。ドラムもその条件でメン募に出したら初代ドラムが来て。それでなんとなく始まりました。

――デモを作ったのはいつですか?

Ryo
2012年かな。スタジオ一発録りのチープなデモです。作ったのは200枚ぐらいだったかと。

“Demo” (2012)

――その後にフランスのAGUIRRE、イタリアのBLACK TEMPLE BELOWとのスプリットですね

Ryo
AGUIRREは、僕がCOFFINSにいた時、2011年のヨーロッパ・ツアーの時に彼らとアメリカのSOURVEINとサポートで一緒に周って、そこで仲良くなってコンタクトを取るようになりました。デモを作ったからスプリットをやりたいねって話になって、Aguirreに持ちかけたら「是非やろう」と。で、スプリット出したから一緒にヨーロッパ・ツアーしたいねってなって2014年にヨーロッパ・ツアー。ヨーロッパ・ツアーをやったから今度はジャパン・ツアーをってことで7月にやります。BLACK TEMPLE BELOWとのスプリットはイタリアのレーベルからコンタクトがあって、その時はうちも余裕があったからじゃあやりましょう、と。

AGUIRRE/GUEVNNA – Split(2014)
BLACK TEMPLE BELOW/GUEVNNA – Split(2015)

――そして、この度リリースされた“Conspiracies”EPですね。

Ryo
プロモーションも兼ねての初単独音源だったらEPかなと。4曲で起承転結の構成も練りやすいし、そのほうが聴く人にとっても分かりやすいかなと思いました。

――国内外でライブをやって、音源も出して、ここまで出来ているバンドは少ないですよね。

Ryo
僕らは単純にライブとツアーが好きなんですよね。だからバンドメンバーもそれなりに動ける人じゃないとっていう条件はあります。日本は世界に300近くある国の中の一つでしかないし、例えばヨーロッパやアメリカならこういった音楽の「本場」だし、マーケットも大きいわけじゃないですか。だからその辺をターゲットにしない理由がないですよね。なるべく国内、海外問わずにツアーして、作品もコンスタントに出していきたいと思っています。

僕の感覚だと、例えば東京から大阪に遠征するのと海外に行くのってそんなに変わらない。言語が変わって、文化が違って、飛行機がしんどいぐらいかな。

――国内でここまで活発に動いているのってGUEVNNAとZOTHIQUEぐらいですよね。

Ryo
Church of MiserySete Star Sept幾何学模様……彼らは1ヶ月単位でツアーしているので、それに比べたら僕らなんてまだまだ活発じゃないと思いますよ。ZOTHIQUEは前から知り合いで、独自の音楽をやっているし、フットワークも軽くて、仲も良いです。3月の2回のライブと5月頭のコペンハーゲンにも(Shusuke氏(Vo&G)がサポート・ギターで)来てくれて。7月のAguirreとのジャパンツアーも一緒に周りますし、個人的にもサポートして行きたいバンドですね。

――ツイン・ギター編成になったきっかけは?

Ryo
始めた当初は「BONGZILLAとIRON MONKEYが大好きなんだー!」以外何も考えていませんでしたけれど、スラッジだとかそういうジャンルで括っちゃうと既に世の中いいバンドがいっぱいいるわけじゃないですか。同じことをやって良い物が作れるか、というのもあったし、個人的に昔のポップスとかディスコが好きなので、ある時から、あくまで結成当初の核を保ちつつ好きなことをやれたらいいかなと思うようになりまして。

で、そう考えたときに、メロディラインがもう一つ欲しくなったんですけれども、選択肢が二つあって。僕がギャーギャー声をやめて普通に歌うか、ギターをもう1本増やすか、だったんですけど、クリーンで歌うとこのバンドを始めた時の核の部分がキープできないと思ったので、じゃあツイン・ギターにしようと。実際、厚みも増したし、出来ることが増えましたね。あと、純粋にメンバーがいっぱい居た方が楽しいです(笑)。

――”Conspiracies” EPの話を聞かせてください。今までの音源と比べてストーナー寄りになった印象を受けました。

Ryo
自分達なりの核を保ちつつ、やりたいことをやった結果ですね。ディスコみたいなノリの良い曲が好きなんだから、ノリの良い曲作ればいいじゃないってことで。かなりキャッチーになってると思います。

1曲目は「コーヒーのCMみたいな曲作ろうぜ!」という思いつきで作ったので、日曜の朝にコーヒー飲みながら聴いてもらえれば相当ツボにはまるはずです。音作りに関しては、前のスプリットの国内外のレビュー等を読むととにかく「ヘヴィだ!」っていう印象が強かったみたいで。正直ヘヴィであることにそんなに拘りはないんですよ。だからEPではかなり低音抑えて、音圧バッキバキみたいなのもやめて。ライブでも元々「圧殺重低音」みたいな音は出しているつもりはなくて、「気持ち良いかどうか」というのを重視しています。

“Conspiracies” EP

――さきほどチラっと出ましたし、facebookにも書いてありますけど、影響を受けた音楽にOld School Discoとありますね。そんなバンド初めてなんですけど。

Ryo
80年代以降の打ち込み中心のテンポも速くてビートも強いダンスミュージックも好きなんですが、それよりもそれ以前のゆったりめのディスコミュージックが好きで。BONGZILLAにしてもロックしててノレて踊れるっていうのが一番だから、自分なりにそういうのをを見出して行きたいな、と。でも、スラッジ、ドゥーム、ストーナーのバンドが原点回帰して昔風のロックサウンドをやるのはありがちじゃないですか。

――今は特に多いですね。

Ryo
そもそも僕がそこまでそういったルーツのロックを聴きこんでいるわけじゃないので、そういうのはやろうとしても出来ないですね。あくまで自分が好きなものだけを上手く取り入れるという感じで。

あと、よくドゥームって言われるんですけど、まったくもってドゥームじゃないんですよ。そのジャンルの音楽が放出してるものってあると思うんですけど、ドゥームだったら神秘的なものだとか、邪悪で悪魔的なものだとか。(GUEVNNAは)歌詞だってそういう内容じゃないし。アートワークも。

――”Conspiracies” EPのアートワークもアーバンな感じで、ドゥームっぽさは無いですね。

Ryo
「ドゥームとは何か」のお勉強じゃないですけれど、BLACK SABBATHにそこまで入れ込んでないんですよ。好きだしかっこいいとは思うけれど、あの時代の良いロック・バンドのひとつというか。BLUE OYSTER CULTを聴いて良いなって思うのと同じ感覚。影響を受けているとすれば、SABBATHから影響を受けたバンドに影響を受けてるんじゃないでしょうか。リフ構成にしてもなるべくSABBATHっぽくないようにはしてるつもりなんですけれど(笑)

――テンポが遅いとどうしても”ドゥーム”、”ドゥーミー”と表現されがちですからね。

Ryo
遅い、もしくはチューニングが低くてちょっとゆったりしてればドゥームって言われちゃう。どう思われてもいいっていうのはあるんですけど、ドゥームじゃないし。スラッジの病的だとか、人間の悪の部分をさらけ出すみたいなものない。GUEVNNAはもっと別のものを放出してるから。

――やってる側からしたらジャンルなんてどうでもいいことですからね。”Conspiracies”EPには歌詞が掲載されていませんが、これは意図したことでしょうか?

Ryo
大阪のDevriさんという方に頼んでアートワークを描き込んで貰っているんですけど、表現、アウトプットするのはそこまでにしたいんですよ。

歌詞まで載せちゃうと「こういうこと歌ってて、こういう音で、こういうバンドなんだ」ってわかっちゃうから、そこまでしたくないんです。例えば映画を見ても観終わった後に「これはなんだったんだろう?」みたいな謎が残るものが個人的に好みで「あの場面はこういうことだったんじゃないのか?」と自分なりに考えて結論を出すのが好きなんですよ。謎ばっかりだとこれまた好きじゃないんですけれど(笑)、今回のEPで言えばアートワークですんごい表現しているんです。あれは僕がこういう構図で、こういう感じで描いてくださいってメールで長々と注文を出して、それをDevriさんが完璧に表現してくれている。だから歌詞は載せなくていいやって。

歌詞は英語なんですけど今回は殆どのところをかなりハッキリと歌っているつもりなので、結構聴き取れると思いますんで頑張って聴き取ってください(笑)。

――”I know you just wanna get stoned”は聴き取れました(笑)。

Ryo
それはみんな言ってる(笑)。Bongzillaみたいにハッパ大賛美がテーマのバンドじゃないので、文面通りの意味合いのフレーズではないんですけれどね。1曲毎に一枚の絵っていうスタンスはこれからも単独作品においては続けていきます。来年、ファースト・アルバム出すんですけれど、全8曲だったら絵が八枚ですね。

CDになってから良いアートワークの作品が減ったと思うんですよ。僕はアナログレコード至上主義ではないですけれど、レコードジャケットは紙で出来ててデカくて、絵を眺めながら音楽に浸れる。

それがCDでプラスティック・ケースになって、アートワークに魅力がないものが多くなったなあと。なので音楽だけじゃなくトータルの芸術活動という意味でジャケット、アートワークにはこだわっていきたいですね。

あと、うちは単独作品に関してはBandcamp等のデジタルダウンロードは今後もやらないつもりです。やっぱり現物を買って欲しいし。時代とは逆行してるし、Bandcampなんかで上手くやればそっちでも金が稼げるとは思うんですけど、そこは単なるこだわりですね。

――作曲はどのようにしてますか?

Ryo
基本、僕がおおまかなものを作ってます。リズムセクションもこういう感じで、って注文出して。そこからパート毎に好きな事やってもらって、曲にしています。

今後はツイン・ギターになったのもあるし、僕は本当にベーシックなものだけを作って、あとはもっとみんなに好き勝手やってもらうようにしようかなと思っています。

――Goさんにお聞きしますが、加入の経緯は?

Go(G)
INSIDE CHARMERというバンドでやっていて、GUEVNNAとは以前からよく共演していて。

CHARMERのドラムが辞めて活動が止まっていたところに白羽の矢が立って。電話でいきなり「もしもし」じゃなくて、「Goちゃん、GUEVNNA入って!」って(笑)。

――第一声が(笑)。

Go
それがデンマーク前で。即答で「いいよ」と。

Ryo
Goちゃんがちゃんと弾けるギタリストなのは知ったんですけれども、ミュージシャンとしてフットワークが軽いというのが大きいですね。弾ける人は沢山知っているけど、バンドとしてまともに活動できる人が少ないので。

Go
ライブがやりたいから。何もしないで生活するのがつまらない。GUEVNNAだとライブがある。自分が弾ける場所を与えてくれたから。

Ryo
泣くところだね。ここはRyo(泣)て入れておいてください(笑)。

――今月、デンマークのフェス”Heavy Day In Doom Town”に出演されましたが、いかがでしたか?

Ryo
本当にアンダーグラウンドのDIYで、たくさんのボランティアの人たちがいて成り立ってるフェスで。コペンハーゲンのビル3棟ぐらいあるスクワットで。演奏後のお客さんの反応もすごく良かったです。

――BONGZILLAとも共演しましたね。

Ryo
BONGZILLAはね、すごかったですよ。ストーナーとかスラッジ云々じゃなくて、ロックンロール。
グルーヴが違う。何故自分があのバンドが好きなのか再確認しました。

ずーーーっとハッパ吸ってて。演奏前もずっと吸ってて、ステージ上がってからも一曲毎に吸ってて「人間こんなにハッパ吸えるんだな」って思いましたね(笑)。会場が本当に臭くて(笑)。

僕らがライブ終わった後、(GUEVNNAの)物販のところにBONGZILLAのメンバーが来て「すげぇよかったぜ!」って言ってくれて。これはもうね、僕らにとって彼らはルーツバンドですからね。めちゃくちゃ嬉しかったです。その後も彼らと色々話したり、色々でしたね(笑)。

――最近、気に入ってるバンド、音源などありましたら教えてください。

Ryo
スウェーデンのHORISONT。アルバム持ってて元々好きで、デンマークでライブ観たんですがめちゃくちゃハードロックでかっこよいです。あとイギリスのPURSON。そんなところかな。

――みなさんが影響を受けたバンド/アーティストのアルバムを何枚か教えてください。

Ryo
BONGZILLA – “Gateway”、IRON MONKEYの1st (“Iron Monkey”)と2nd (“Our Problem”)、DURAN DURAN – S/T、KILLING JOKE – “Night Time”と”Democracy”、THE DOORSTHOU – “Summit”、VISION OF DISORDER – “From Bliss To Devastation”、まだまだあるけどパッと思いつくのは……あ、THE JESUS LIZARD全部。

Temi(Ds)
MELVINS – “Stoner Witch”。MELVINSが一番好き。あとはIMMORTALの……アルバム(笑)、SHERBETS – “Vietnam 1964″、平沢進 – “救済の技法”。そんなもんですかね。

Komi(B)
QUEENS OF THE STONE AGE – “R指定”、ZZ TOP – “Tres Hombres”、SHOCKING BLUEのベスト、CYPRESS HILLの1st (“Cypress Hill”)、曲だとJo CokerのTHE BEATLES – “With a Little Help from My Friends”のカバーは1日何十回も聴いたりします。あとはGRAVES AT SEA憂歌団が好きです。

――Raizoさんは?

Temi
ガンズでしょ?

一同
(笑)。

Temi
“Appetite for Destruction”を毎日聴いてるっていう噂を……(笑)。

Raizo (G)
……(苦笑)。kamomekamome – “ルガーシーガル”、TOOL – “AENIMA”、DEATH CAB FOR CUTIE – “We Have The Facts And We’re Voting Yes”、Hi-STANDARD – “GROWING UP”、あとデトロイト・テクノのDerrick May

――Goさんは?

Temi
まずガンズでしょ?

Go
ガンズの”Use Your Illusion 1″、”2″と……(笑)。ギター的にはEXTREAMの”Pornograffitti”、最近聴いてるのはLYNYRD SKYNYRDの2nd (“Seconed Helping”)、GUEVNNA的にはSLEEP – “Holy Mountain”、あとはOBITUARY – “Cause of Death”、MOUNTAINの”Mississippi Queen”。

Ryo
あ、追加でJUDAS PRIESTの”Scream for Vengence”と”Stained Class”。あとARCH ENEMYの”Burning Bridges”。

Temi
あれは最高だよね。曲が最高。あ、MARILYN MANSON入れるの忘れてたよ! ”Mechanical Animals”が一番好き。

Ryo
僕は”Portrait of an American Family”が好き。DEAD MEADOW – “Feathers”、QUEEN ELEPHANTINE – ” Garland of Skulls”、KHANATEの……全部!

――では最後に、今後の予定、目標を教えてください。

Ryo
7月にAGUIRRE、ZOTHIQUEと10日間ツアーをして、その後はアルバムの曲作りしながらライブこなして。来年アルバムを出したタイミングでまたヨーロッパ・ツアーに行けたらな、と。次のライブは6月20日(土)に横浜のEl Puenteと6月22日(月)に渋谷Ruby Roomでやります。

GUEVNNA | Facebook
https://www.facebook.com/guevnnaband

Aguirre(Bordeaux)×GUEVNNA×Zothique Japan Tour
7.17(Fri)@MORGANA Kokubunji
7.18(Sat)@DANCE HALL BENIBANA Hikone
7.19(Sun)@PEPPERLAND Okayama
7.20(Mon)@SOCRATES Kyoto
7.21(Tue)@HOKAGE Osaka
7.22(Wed)@HUCK FINN Nagoya
7.23(Thu)@EL PUENTE Yokohama
7.24(Fri)@BUSHBASH Koiwa
7.25(Sat)@SUNASH Shizuoka

7.26(Sun)@LADDERLADDER Chichibu

「ウェールズの何処か――山の頂で、片目のノスリが空に向かって啼いている……」伝説のUK Stoner/DoomバンドAcrimonyの灰から生まれたSigiriyaインタビュー

[:ja]

2014年 9月 インタビュー・文:梵天レコード


90 年代の英国 Doom/Stoner シーンを代表するバンドのひとつだった Acrimony 。
Cathedral や Electric Wizard と並び高い評価を得ていたが、 2 枚のアルバムを残し、惜しまれつつ 2001 年に解散。その後はギタリストの Stuart O’Hara が Iron Monkey でギターを弾くなど、各人活動していたが、 2009 年に現 Lifer の Lee Davies を除く 4/5 のメンバーによって結成されたのが Sigiriya だ。
2011 年に 1st アルバム “ Return to Earth ” をリリースし、 Acrimony 直系の Heavy Stoner Rock で往年のファンを歓喜させた。
しかし、 2012 年にヴォーカルの Dorian Walters が脱退。新たに Mat “PIPES” Williams を迎えて今年四月、 “ Darkness Died Today ” をリリースした。
Dorian の(良い意味で)ルーズな歌声とは対極にあるようなソウルフルで漢気溢れる歌声はバンドに新たな風を吹き込んでいる。
Acrimony の解散から Sigiriya の結成、そして現在までをギタリストの Stuart O’Hara とベーシストの Paul Bidmead に聞いた。

 

――応じて頂きありがとうございます。Sigiriyaの前にAcrimonyについてお聞かせください。
2001年にAcrimonyは解散しましたが、一体何があったのでしょうか?

Stuart O’Hara(Guitar, 以下Stu)
俺たちに興味を示してくれてありがとう。何度も言っていることだけど、Acrimonyは当時の俺たちがやりたかったことをやりつくしたんだ。
俺たちは若くて頑固なロクデナシだったし、音楽業界でやっていけるタイプじゃなかった。
それに、俺たちはもっと色々な人生経験をしてみたかったんじゃないかな。

Paul Bidmead(Bass, 以下Mead)
ああ、解散する運命だったんだ。生まれて、生きて、そして死んだ!
俺たちはキャリアを気にするタイプじゃないからね。オリジナル・メンバーが一人ずつ去りながら何枚もアルバムを連発するなんて最悪なことだと思うね。

――“Tumuli Shroomaroom(邦題:『無限への旅』、旧邦題:『瞑瞑』)”“Bong On – Live Long(邦題:『幻覚の象神』)”は2007年にLeaf Hound Recordsから再発、発売されましたが、これはどのような経緯だったのですか?

Stu
俺が覚えている限りだと、トレノ(小林飛玲乃。Leaf Hound Records主宰)がDorian(Acrimonyのヴォーカル)に“Tumuli~”のヴィニール盤リリースの話を持ちかけてきたんだ。俺たちみんなとても興奮したよ。アルバムを出してから10年が経っていたからね。素晴らしい提案だったし、自然と快諾したよ。それからアルバムとレア音源をCDで再発したいと言われて、“Bong On~”としてリリースした。
再発はアートワーク、写真、歌詞、その他すべてを刷新して、ジャケットはすべて、いまや伝説のJimbob IsaacDrunken Marksman illustration, Taint/Harkのフロントマン)が担当してくれた。

彼とDorianはメールでかなりのやりとりをしていたようだが、俺たちにはあまり教えてくれなかったな。彼は俺たちの大ファンで、Dorianに色々な荷物などを送っていた。彼とはRoadburnで一度だけ会ったけど、とてもいいヤツそうだったよ。その後のことはわからないな。レコードはUKのPlastic HeadやドイツのChurch Withinで流通していた。
彼が病気になったと何年か前に聞いたのが最後だけど、回復していることを願っているよ。

Mead
“Tumuli~”がヴィニールになったのはクールだったね。

 

Tumuli Shroomaroom
Bong On – Live Long!

――Acrimony解散から約10年後にSigiriyaが結成されるわけですが、他のメンバーとは連絡を取り合っていたのですか?

Stu
Darren(Ivy, drums)とMeadとは解散してから何年も会っていなかった。俺はIron Monkeyに短い期間いたあと、The Dukes of Nothingと、俺とDorian、Lee Roy(Lee Davies)や他のヤツとBlackeyeriotを数年やっていた。

Mead
俺はシャーマンの道を辿りながらダブやサイケトランスをひっそりとやっていた。
地元でBlackeyeriotを見たけど、一曲目の半ばで俺の体はひっくり返っていたよ!

――Sigiriyaの当初のラインナップはAcrimonyの4/5のメンバーでしたが、何故再結成ではなく、新しいバンドを始めたのですか?

Mead
Acrimonyは俺たちの人生における特定の期間、一つの時代だった。それは絶対に変えたくなかったし、再現することもできなかった。新しい事を始める方にもっと興味があったんだ。

――Sigiriyaというバンド名の意味、由来は何ですか?

Stu
Sigiriyaをざっくり訳すと、“獅子の咽喉”という意味になる。
俺は自分の結婚式でスリランカへ行った時に、このモノリスティックな岩を訪れたんだ。岩が持つ威厳とそれを巡る物語に驚嘆したよ。
家に戻って、俺たちはまだいいバンド名を思いつけていなかったから、俺からみんなに提案したんだ。クールな意味もあるし、ピッタリだと思ってね。

※編注:シギリヤは、スリランカの中部州のマータレーにある遺跡のこと。

――昨年Dorian Waltersが脱退しましたが、何があったのでしょうか?

Stu
彼が脱退したのは2012年だよ。家庭の事情でね。

――新しいシンガーを紹介していただけますか?

Mead
ああ、Matが俺たちの新しいシンガーだ。本物の紳士、シャーマンで、キチガイだ。
音楽的にも人格的にも完璧に馴染んでいるよ。

Stu
Mat “PIPES” Williams伝説だな。ああ、彼が馴染んでくれて感謝しているよ。

 

――“Darkness Died Today”のリリースおめでとうございます。反応には満足されていますか?

Stu
ありがとう。最初は印象が薄いかもしれないが、聴けば聴くほど楽しめる作品だと個人的には思っている。StonerとかDoomよりも良いヘヴィ・ロック・レコードだよ。

 

Darkness Died Today(2014)

――前作“Return To Earth”(2011)を聴いたとき、私にはAcrimonyの続編のように感じられましたが、”Darkness Died Today”はもっとヘヴィでメタリックですね。

Stu
間違いなく、よりヘヴィで、一貫した纏まりのある作品だ。

Mead
サイケデリックというよりは地に足がついているね。まだ影響は残っているけど、解釈は異なっているよ。

 

Return to Earth(2011)

――ミュージシャンとしてどんなバンド/アーティストに影響を受けていますか?

Stu
Black Sabbath, Deep Purple, ZZ Top, Hawkwind, Status Quoなどの伝統的なバンドとEntombed, Tragedy, Agolloch, 初期Metallica, Discharge, Cro-Mags, The Obsessed, Victor Grifinなど初期衝動溢れるバンドのマッシュアップだね。

Mead
俺のプレイにはダブの影響があると思う。それと俺はペイガン・ブラック・メタル――Wolves in the Throne Room, Dordeduh, Negura Bunget――などをよく聴くよ。

――最近のDoom/Stonerシーンについてどう思っていますか?

Stu
90年代と比べると、今はモンスターだよ。とてもたくさんのバンドが活動しているのは良いことだ。君が知っているバンドの半分も俺にはわからないけど、少なくとも、それで多くの人は喜んでいるみたいだね。

Mead
他のシーンと同じように、良いのもいれば悪いのもいるし、本物も偽物もいる。Stoner Rockについてはよく知らないけど、Goatessはシーンのどのバンドより良いよ。

Stu
ああ、Goatessは最高だ。

――Sigiriyaの次の予定について教えてください。

Mead
新しいアルバムを作って、いくつかショウをやるよ。

――では最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

Mead
ウェールズの何処か――
山の頂で、片目のノスリ――タカ目タカ科の鳥――が空に向かって啼いている。
その啼き声がSigiriyaの創り出す音だ。そして、Sigiriyaは君達を愛している!!!

Stu
Meadよりうまいことは言えないな。君達が熱心に連絡してくれれば、いつの日か日本へ行って君達の為にプレイするチャンスが望めるかもしれない。
インタビューしてくれてありがとう。バンドのことを知って、広めてくれる人たちに感謝している。それは俺たちにとって世界を意味しているからね。

 

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2014年 9月 インタビュー・文:梵天レコード


90 年代の英国 Doom/Stoner シーンを代表するバンドのひとつだった Acrimony 。
Cathedral や Electric Wizard と並び高い評価を得ていたが、 2 枚のアルバムを残し、惜しまれつつ 2001 年に解散。その後はギタリストの Stuart O’Hara が Iron Monkey でギターを弾くなど、各人活動していたが、 2009 年に現 Lifer の Lee Davies を除く 4/5 のメンバーによって結成されたのが Sigiriya だ。
2011 年に 1st アルバム “ Return to Earth ” をリリースし、 Acrimony 直系の Heavy Stoner Rock で往年のファンを歓喜させた。
しかし、 2012 年にヴォーカルの Dorian Walters が脱退。新たに Mat “PIPES” Williams を迎えて今年四月、 “ Darkness Died Today ” をリリースした。
Dorian の(良い意味で)ルーズな歌声とは対極にあるようなソウルフルで漢気溢れる歌声はバンドに新たな風を吹き込んでいる。
Acrimony の解散から Sigiriya の結成、そして現在までをギタリストの Stuart O’Hara とベーシストの Paul Bidmead に聞いた。

 

――応じて頂きありがとうございます。Sigiriyaの前にAcrimonyについてお聞かせください。
2001年にAcrimonyは解散しましたが、一体何があったのでしょうか?

Stuart O’Hara(Guitar, 以下Stu)
俺たちに興味を示してくれてありがとう。何度も言っていることだけど、Acrimonyは当時の俺たちがやりたかったことをやりつくしたんだ。
俺たちは若くて頑固なロクデナシだったし、音楽業界でやっていけるタイプじゃなかった。
それに、俺たちはもっと色々な人生経験をしてみたかったんじゃないかな。

Paul Bidmead(Bass, 以下Mead)
ああ、解散する運命だったんだ。生まれて、生きて、そして死んだ!
俺たちはキャリアを気にするタイプじゃないからね。オリジナル・メンバーが一人ずつ去りながら何枚もアルバムを連発するなんて最悪なことだと思うね。

――“Tumuli Shroomaroom(邦題:『無限への旅』、旧邦題:『瞑瞑』)”“Bong On – Live Long(邦題:『幻覚の象神』)”は2007年にLeaf Hound Recordsから再発、発売されましたが、これはどのような経緯だったのですか?

Stu
俺が覚えている限りだと、トレノ(小林飛玲乃。Leaf Hound Records主宰)がDorian(Acrimonyのヴォーカル)に“Tumuli~”のヴィニール盤リリースの話を持ちかけてきたんだ。俺たちみんなとても興奮したよ。アルバムを出してから10年が経っていたからね。素晴らしい提案だったし、自然と快諾したよ。それからアルバムとレア音源をCDで再発したいと言われて、“Bong On~”としてリリースした。
再発はアートワーク、写真、歌詞、その他すべてを刷新して、ジャケットはすべて、いまや伝説のJimbob IsaacDrunken Marksman illustration, Taint/Harkのフロントマン)が担当してくれた。

彼とDorianはメールでかなりのやりとりをしていたようだが、俺たちにはあまり教えてくれなかったな。彼は俺たちの大ファンで、Dorianに色々な荷物などを送っていた。彼とはRoadburnで一度だけ会ったけど、とてもいいヤツそうだったよ。その後のことはわからないな。レコードはUKのPlastic HeadやドイツのChurch Withinで流通していた。
彼が病気になったと何年か前に聞いたのが最後だけど、回復していることを願っているよ。

Mead
“Tumuli~”がヴィニールになったのはクールだったね。

 

Tumuli Shroomaroom
Bong On – Live Long!

――Acrimony解散から約10年後にSigiriyaが結成されるわけですが、他のメンバーとは連絡を取り合っていたのですか?

Stu
Darren(Ivy, drums)とMeadとは解散してから何年も会っていなかった。俺はIron Monkeyに短い期間いたあと、The Dukes of Nothingと、俺とDorian、Lee Roy(Lee Davies)や他のヤツとBlackeyeriotを数年やっていた。

Mead
俺はシャーマンの道を辿りながらダブやサイケトランスをひっそりとやっていた。
地元でBlackeyeriotを見たけど、一曲目の半ばで俺の体はひっくり返っていたよ!

――Sigiriyaの当初のラインナップはAcrimonyの4/5のメンバーでしたが、何故再結成ではなく、新しいバンドを始めたのですか?

Mead
Acrimonyは俺たちの人生における特定の期間、一つの時代だった。それは絶対に変えたくなかったし、再現することもできなかった。新しい事を始める方にもっと興味があったんだ。

――Sigiriyaというバンド名の意味、由来は何ですか?

Stu
Sigiriyaをざっくり訳すと、“獅子の咽喉”という意味になる。
俺は自分の結婚式でスリランカへ行った時に、このモノリスティックな岩を訪れたんだ。岩が持つ威厳とそれを巡る物語に驚嘆したよ。
家に戻って、俺たちはまだいいバンド名を思いつけていなかったから、俺からみんなに提案したんだ。クールな意味もあるし、ピッタリだと思ってね。

※編注:シギリヤは、スリランカの中部州のマータレーにある遺跡のこと。

――昨年Dorian Waltersが脱退しましたが、何があったのでしょうか?

Stu
彼が脱退したのは2012年だよ。家庭の事情でね。

――新しいシンガーを紹介していただけますか?

Mead
ああ、Matが俺たちの新しいシンガーだ。本物の紳士、シャーマンで、キチガイだ。
音楽的にも人格的にも完璧に馴染んでいるよ。

Stu
Mat “PIPES” Williams伝説だな。ああ、彼が馴染んでくれて感謝しているよ。

 

――“Darkness Died Today”のリリースおめでとうございます。反応には満足されていますか?

Stu
ありがとう。最初は印象が薄いかもしれないが、聴けば聴くほど楽しめる作品だと個人的には思っている。StonerとかDoomよりも良いヘヴィ・ロック・レコードだよ。

 

Darkness Died Today(2014)

――前作“Return To Earth”(2011)を聴いたとき、私にはAcrimonyの続編のように感じられましたが、”Darkness Died Today”はもっとヘヴィでメタリックですね。

Stu
間違いなく、よりヘヴィで、一貫した纏まりのある作品だ。

Mead
サイケデリックというよりは地に足がついているね。まだ影響は残っているけど、解釈は異なっているよ。

 

Return to Earth(2011)

――ミュージシャンとしてどんなバンド/アーティストに影響を受けていますか?

Stu
Black Sabbath, Deep Purple, ZZ Top, Hawkwind, Status Quoなどの伝統的なバンドとEntombed, Tragedy, Agolloch, 初期Metallica, Discharge, Cro-Mags, The Obsessed, Victor Grifinなど初期衝動溢れるバンドのマッシュアップだね。

Mead
俺のプレイにはダブの影響があると思う。それと俺はペイガン・ブラック・メタル――Wolves in the Throne Room, Dordeduh, Negura Bunget――などをよく聴くよ。

――最近のDoom/Stonerシーンについてどう思っていますか?

Stu
90年代と比べると、今はモンスターだよ。とてもたくさんのバンドが活動しているのは良いことだ。君が知っているバンドの半分も俺にはわからないけど、少なくとも、それで多くの人は喜んでいるみたいだね。

Mead
他のシーンと同じように、良いのもいれば悪いのもいるし、本物も偽物もいる。Stoner Rockについてはよく知らないけど、Goatessはシーンのどのバンドより良いよ。

Stu
ああ、Goatessは最高だ。

――Sigiriyaの次の予定について教えてください。

Mead
新しいアルバムを作って、いくつかショウをやるよ。

――では最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

Mead
ウェールズの何処か――
山の頂で、片目のノスリ――タカ目タカ科の鳥――が空に向かって啼いている。
その啼き声がSigiriyaの創り出す音だ。そして、Sigiriyaは君達を愛している!!!

Stu
Meadよりうまいことは言えないな。君達が熱心に連絡してくれれば、いつの日か日本へ行って君達の為にプレイするチャンスが望めるかもしれない。
インタビューしてくれてありがとう。バンドのことを知って、広めてくれる人たちに感謝している。それは俺たちにとって世界を意味しているからね。

 

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