2014年3月 聞き手:梵天レコード
メンフィスのストーナー・ブルース・トリオ、The Heavy Eyesのインタビュー。
聴く者を一撃で酩酊させるFuzzyなリフにタイトなリズム。ヘヴィでありながら、ポップでキャッチーな曲の数々。アナログ(≠ローファイ)な音質も相まって、60~70年代にタイムスリップしたかのようなレトロなブルース・ロックだ。
The Heavy Eyesの面々が答えてくれた。
――時間を取って頂きありがとうございます。最初に、バンドの歴史と現在のラインナップを教えてください。
The Heavy Eyesは元々、4ピースで違う名前で活動していた。彼らのオリジナル・ドラマーの不慮の死とギタリストの脱退の後、共通の友人が俺にWallyとTrippを紹介してくれた。彼らはすでに“Voytek”といくつかの曲を書いていたが、ドラム・パートがまだだった。俺たちはジャムをやって、うまく行った。The Heavy Eyesとしての現在の、そしてオリジナルのラインナップはWally Anderson, Tripp Shumake, Eric Garciaだよ。
――The Heavy Eyesというバンド名の意味、または由来は何ですか?
Trippが何冊かの本、特に『華麗なるギャッツビー』と『ムーン・パレス』を読んで、巨大な目が空からキャラクターたちの行動を見つめている、という暗喩を思いついて、そこから名付けた。彼はそれをとても興味深い文学的コンセプトだと思い、そのことが頭から離れなかった。
それから、バンドは日々の支払いのために働いている中で結成された。学費を払うために働いて、夜勤明けの腫れ上がった眼(tired baggy eyes)をしているのは、俺たちや、ショウに来てくれる友人たちの間では珍しい事じゃなかった。
――The Heavy Eyesを聴いた事が無い読者のために、どんなサウンドか説明していただけますか?
俺たちの音楽はキャッチーで、フックがあって、ヘヴィ、ファズ、ブルース、ストーナー、そしてポップスからインスパイアされている。70’s rock, stoner rock, blues rockからポップスまで、幅広い音楽から影響を受けているよ。
――ミュージシャンとして、どんなバンド/アーティストから影響を受けていますか?
とても多岐に渡っているよ。俺たちみんな、色んなジャンルからインスパイアされているし、多くの音楽をシェアしている。TrippはMuddy WatersからJames Blake, The Strokesまで。俺はAnnihilation Time, Tobacco, Big Business。Wallyは70sロックにのめり込んでいる。俺たちが共通して好きなのは、Black Sabbath, Led Zeppelin, Cream, Rage Against The Machine, The White Stripes, Black Keys…リストはまだまだ続くよ。
――メンフィスの音楽シーンについて説明していただけますか?
音楽的ランドスケープはとてもタフだ。多くの良い演者たちが、メンフィスではわずかにしか支持を得られないが、外ではとてもうまくいっている。メンフィスはプレイするにはツラい街だよ。もしこれを読んでいるツアー中のバンドがいたら、身を以て経験しているだろうね。
歴史的には、メンフィスは他の街よりも多くの歌に登場している。
The Dirty Streets俺たちの古くからの友人で、今昇り調子だ。Jack Oblivian, Lucero, The City Champs, Ex Cult, The Sheiks, それにAmy Lavereは異なった面のメンフィス・サウンドの現在を象徴している。メンフィスの音楽シーンの一部であることを幸福に思っているし、誇りにも思っているよ。
――2013年にAll Them Witchesとのスプリットをリリースしましたね。どのようにして実現したのですか?
爆音と最高のライブからだよ!やつらは最高の連中だ。俺たちはナッシュヴィルで知り合ったんだ。そして、俺はやつらのライブにブッ飛ばされた。俺が今までアンダーグラウンド・シーンで観てきた中で最も素晴らしいStoner/Psyche バンドだ。やつらがビッグなことをやってくれると期待しているよ。
――最新のスタジオ・アルバム“Maera” (※1)について話しましょう。どこでレコーディングしたのですか?レコーディングは 簡単でしたか?それとも、難しかったですか?
難しかったのはトラック・ダウンの為の二日間だけだったね。俺たちはST“The Heavy Eyes”(※2)をレコーディングした時と同じやり方でレコーディングした。セカンド・ギター、ヴォーカル、別のドラム(タンバリン、スティック・クリック等)を除いてすべてライブ・レコーディングした。
Matthew Quallsは俺たちがメンフィスで頼りにしている男で、彼との作業はとても簡単だ。俺たちがやろうとしていることがわかっているし、俺たちの予算と時間の中で、良い仕事をしてくれる。俺たちのライブ体験がレコードで再現されている事を願うよ。
――“Maera”はアートワークが素晴らしいですね。誰の手によるものですか?
Emil Orth。俺たちの古い友人で、とても素晴らしい心の持ち主だ!何でもいいから、彼にコンタクトしてあげてくれ。彼はファンからのメールやイラストを書くことが大好きなんだ。<artofemilorth@yahoo.com>
――バンドが重点を置いているのはメロディ、リズム・・・他にありますか?
その両方だよ。ほとんどの曲を書いているTrippは素晴らしいソングライターだ。
彼の書く曲にはスウィングするリフに、メロディがある。俺たちはグルーヴ、メロディ、そしてリズムが大好きで、そのベストを追及している。君たちの頭を振らせて、何度も再生させるようなフックを書けていたら、僕らは良い仕事をしたってことになるね。
――あなたたちはツアーをよくしますか? ツアーを楽しんでいますか?
十分には出来ていない。ツアーだけで食っていけるほど観客が集まらないしね。だけど、いつかそうなりたいと思っている。今は、休暇の時に小規模なツアーをしているよ。
そうは言っても、いくつかエキサイティングな事もある。今年はSXSWと五月にドイツでプレイするんだ。新しい人たちと出会えるのを楽しみにしているよ。
――最近はどんなバンド/アーティストのアルバムを楽しんでいますか?
俺はBroken Bellsの新作をよく聴いているよ。Queens of The Stone AgeとDaft Punkの新作も素晴らしいね。それから、Elderをしょっちゅう聴いている。彼らは最高だ。
――馬鹿な質問を一つ。The Flying Eyesと間違えられた事はありますか?
知らないなあ。知っておくべき?
――日本のバンドを知っていますか?
個人的な知り合いではないけど、Borisの「Heavy Rocks」は最高だ!
――新しいアルバムやツアーの予定はありますか?
新曲の7インチを出すよ。あと、STのヴィニールを2月の後半に再発する。
新しいアルバムも作っているよ。2014年の夏にリリースする予定だ。
ライブは
Austin, TX – SXSW – 2014年3月
Germany – Freak Valley Fest – 2014年5月
――最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
日本にいくつかマーチャンダイスを送ったよ。もっと送れたらいいな。世界中にファンがいるって知るのが大好きなんだ。これは俺たちにとって本当に大きな成果だよ。
俺たちの音楽を聴き続けてくれ。そして、いつの日か君たちに会えたらいいな。
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