RUBY THE HATCHET

ruby the hatchet Photo by Gene Smirnov 1024x768 - RUBY THE HATCHET
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"Ouroboros" (2012)

1.Taking Sides 04:15    
2.Black Tongue 04:13
3.Can’t Get Him Away 05:17
4.Strange Hold 02:58
5.The Lean 04:34
6.Holy Father 03:07
7.Wicked Ones 03:45
8.Nowhere 04:28
9.Good God Damn 05:39

Line Up: Jillian Taylor (Vocals), John Scarperia (Guitar), Mike Parise (Bass), Owen Stewart (Drums, Vocals and Percussion), Sean Hur (Organ)
Label: Self-released

美貌の女性ヴォーカルJillian Taylor擁するアメリカ、ペンシルバニア州はフィラデルフィアの五人組が2012年にリリースしたファースト・フル。

今年2月に“Eliminator” EPをリリース。6月にアメリカのTee Pee Recordsと契約し、8月にはレーベルメイトのEarthlessThe Shrineのツアー公演に出演している。

“フィメール・フロンテッド(女性ヴォーカル)”というバンドの形態は、昨今のDoom/Stonerシーンにおけるひとつの大きな潮流である。

 フルート吹いて鍵盤も弾く魔女カルト教信者ジャニス・ジョプリンばりのド迫力ヴォイス革ジャン/グラサン/タバコ似合いすぎ解散するの早すぎ等々、バンドを挙げると切りがないほど。また音楽性も様々。

そんな流れの中から現れたRuby The Hatchet。彼らの音楽性は正統派Heavy Stonerである。これ、いそうでいなかったタイプではないだろうか。

私見だが、フィメール・フロンテッドのバンドは60~70年代稽古主義的な傾向が多い。

このバンドもインタビューでは影響を受けたバンドとしてLed ZeppelinBlack SabbathGraveyardUncle Acid and Dead Beatsを挙げつつ、Dead Meadowの名も挙げており、音作りの面ではその辺りのアメリカン・ストーナー~オルタナティブ・ロックを手本としているように思える。

Fu Manchu風のFuzzyなリフの#1“Taking Sides”、ドゥーミーな曲調で始まり後半で爆発する“Electric Funeral”タイプの#3“Can’t Get Him Away”、とアルバムの前半は聴き手に考える隙を与えさせずに踊らせしまうようなノリのいい曲が占めている。曲間のヘイ!ヘイ!ストレンジ!ストレンジ!ストレンジ!といったライブ映えしそうな掛け声も聴いていて小気味良い。

後半に入ると、浮遊感のあるサイケ、というかまんまDead Meadowな“Holy Father”やアコースティックの#8”Nowhere”などゆったりとした聴かせる曲中心。

本作はCDとデジタル音源でのリリースだが、LPを想定した構成なのではないだろうか。A面とB面に分けてタイプの異なる曲を揃えるのはLP時代のアルバムではよくある構成(もちろんCDでもそういう構成のアルバムはいくらでもありますけど)。

Jillianちゃんのキュートなルックスと、舌っ足らずな小娘といった感じの歌声、元ネタ的に“浅い”とも捉えられかねない音作り、Converse×Decibelとのコラボなど一部の人たちの目の端をピクピクさせてしまう可能性もある(というのは私の考えすぎでしょうか。Metalarchives.comにも登録されてないし……)が、余計なことを考えずに聴けば、本作は純粋に格好いいロックンロール。Tee Peeと契約したのは伊達じゃないってわけだ。来年発売予定の2ndアルバムが非常に楽しみである。
http://thehatchet.bandcamp.com/album/ouroboros