「どこから来て、どこへ行くか……金星より先には行きたいですね」約1年ぶりとなる 新作”Faith, Hope and Charity”をリリースしたZOTHIQUEインタビュー。

聞き手:梵天レコード
2015年7月26日 秩父ladderladderにて
Photo by ゆまっち(@yma1109)

東京拠点のサイケデリック・ドゥーム/スラッジ・バンドZOTHIQUEが約1年ぶりとなる三枚目のアルバム“Faith, Hope and Charity”をリリースした。独自の世界観を保ちつつ、各メンバーの血であり、バンド・サウンドの構成要素たるドゥーム、スラッジ、ハード・ロック、サイケ、ハードコア、ノイズ、アンビエント…etcを一つに纏め上げるのではなく、それぞれを際立たせるという手法を用いて紡がれた本作は、味わい深く何度も繰り返し聴きたくなる傑作だ。形骸化したドゥームやスラッジに飽いている人にこそ強くお勧めしたい。
東京のストーナー・バンドGUEVNNAとフランスのスラッジ・バンドAGUIRREとの10日間ツアー最終日に、メンバー全員から話を聞くことができた。

尚、結成の経緯や1st、2ndアルバム等についてのインタビューは現在発売中のペキンパー第五号に掲載しておりますので、そちらも是非ご拝読ください。

※本文中にホイヘ・ルイス・ボルヘス著「円環の廃墟」とアーヴィン・S・コッブ著「信仰と希望と愛と」のネタバレが含まれています。ご注意ください。

――今日はAGUIRRE、GUEVNNAとの10日間ツアーの最終日ですが、やってみてどうでしたか?

Shusuke Shimonaka(Vocal and Guitar)
10日間連続のツアーはメンバー全員初めてで、なかなか感慨深いな、と。7ヶ月間ブランクがあって、ライブの感覚を取り戻しながら。

Jah Excretion(Bass and Drone)
去年5日間、DRAGGED INTO SUNLIGHT(UK)とツアーした時は5日目とかバテバテで、今回は10日は無理かと思ってたけど意外と大丈夫。ツアーすることに慣れてきたというか。去年も2回やってるし。

Darklaw(key, Noise, Buckground Vocal)
途中バテバテだったけど取り戻してましたね。

Koji Ueno(Drums)
まだやり足りない感じが。

――ツアーに合わせて約1年ぶり、三枚目のアルバム”Faith, Hope and Charity”がリリースされました。これまで1年に1枚のペースでアルバムをリリースしていますが、これは意図したことなのですか?

Shusuke
今回のツアーの話を去年から頂いていて、どうせならそのタイミングで出そうと思って。去年もたまたまRoad to HellからDRAGGED INTO SUNLIGHTとのツアーの話がきていて。アルバム出すならそのタイミングに合わせよう、という去年とまったく同じような流れです。あと、やっぱりコンスタントに作品出して行くのは大事だと思うので。意図していたといえば、ある程度そういう狙いはあったと思います。

――今回のアルバムから作曲に各メンバーがクレジットされていますね。

Shusuke
今までの曲は殆ど僕が作るかもしくはDarklawが部分的に作曲を担当して、それを全員でアレンジしていくという流れだったんですが、今回は楽曲ごとのテーマ(題材)をまず決めた上で、それぞれのメンバーが楽曲のアイデアを持ち込むという形をとりました。曲によって作曲者のスタイル、雰囲気の違いが如実に出てるかな、と。

――メンバーのキャラが立ってるなと思いました。誤解を恐れずに言えばバラバラの曲なんですけど、ZOTHIQUEのバンドカラーで統一されているというか。

Shusuke
バラバラのミュージシャンの集合体なんで、そこが際立ちましたね。

――クラシック・ロックのアルバムに近いような感覚があって。The Beatlesじゃないですけど、ポールの曲、ジョンの曲、みたいな。

Shusuke
確かにちょっと昔っぽいですね。

Jah
でも、自分の好きな感じを作るというよりは、あくまでもZOTHIQUEで、っていうのは考えていたけど。

――1曲ずつコメントをお願いできますでしょうか。1曲目はJahさん作曲の”Venus I”。

Jah
シュウ君からVenus(金星)っていうテーマで曲を作って欲しいっていうことで。なので、金星に旅立つ、金星に行けちゃうぐらいな曲を、みたいな感じで。

Shusuke
金星っていう存在に、ものすごく魅かれていて。気温400度ぐらいのとんでもない惑星です。単なる想像ですが、そこに人智を超えた凄まじいエネルギーや生命力のようなイメージを結びつけていました。金星をテーマにしたSF作品も好きだったので、金星をテーマに曲を作ってくれないかなっていうのが始まりで。金星良いなあって。

Jah
作る時にパソコンで金星の画像を探して、それを見ながら。

一同
(笑)

Jah
youtubeの金星の画像と一緒にアンビエントみたいな音楽が流れていて、それがリフといい感じに合って(笑)。

――次の”The Tower of White Moth”と5曲目の”The Circular Ruins”はデモ音源に収録されていた楽曲ですが、こちらは現メンバーでの再録でしょうか?

Shusuke
再録ですね。あれを録ったのは2010年とかだったので、メンバーも違うし、正式なアルバムの曲としては出していなかったのでこの際録り直してみようと。当時に比べれば表現力にも少しは幅が出てきていると思ったので。

――再録の2曲の歌詞について教えてください。

Shusuke
“The Tower of White Moth”はフィクションです。ざっくり言うと、男が無数の白い蛾の群れに追われて正気を失い、群れの中で女王蛾に誘われて自分もサナギとして生まれ変わりたいという欲求に取り憑かれていくという内容です。ひたすらグロくて不快なだけで、深い意味はありません。
“The Circular Ruins”はアルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編をベースにしています。「円環の廃墟」という邦題で和訳も出ています。「自分が夢を見ているつもりが、誰かに夢見られていた」というくだりがあるんですが、存在の不確かさに対する人間の不安を如実に現しているようで、個人的に非常に好きな作品です。ZOTHIQUEとして初めて楽曲を作った時にテーマとして取り上げました。

――次の”Hijra”はDarklawさんの作曲で。アルバム中最もイーヴルな曲ですね。

Darklaw
極悪な曲をって言われて作った感じです。

Shusuke
とにかく悪いヤツを作ってくれって(笑)。

Darklaw
全然極悪じゃないのに(笑)。

――Hijra(ヒジュラー)という言葉の意味は?

Photo by Ayako (@ayako66)

Shusuke
ヒジュラーはインドとかバングラデシュにいる両性具有、女装したオカマなんですけど、子どもが生まれた時とか結婚式とかに手を叩きながらワーッて駆け寄ってきて踊ったり。忌み嫌われてるんですけど、神聖な存在という。昔、そっちの方に旅行してた時にヒジュラーと出くわすことが多くて、鮮烈な印象が。ヒジュラーも生命力の塊のような存在だと感じていたので、アルバムの題材の一つとして使いました。昔から暖めていた存在ではあったんですけど。

――次の曲はアルバム・タイトルにもなっている”Faith, Hope and Charity”。Kojiさんの曲ですね。この曲はドゥーミィというか、BLACK SABBATH的な雰囲気ですね。

Koji
ありがとうございます。元々はテーマをもらったと思うんだけど、そういうテーマをイメージして曲を作るっていうのができなくて。ただ単に頭の中に降ってきたリフをそのまま曲にして、これしかできなかったって渡して(苦笑)。

Shusuke
コウジさんの好きな音楽性が現れてると思いますね。

Koji
シュウ君の持ってきたテーマにねじ込むのはちょっと無茶かな、と思ったんですね。でも、極悪とかカッコいい曲は他のメンバーが作るだろうから、ちょっと違うのがいいかなって。

Shusuke
もともと”Faith, Hope and Charity”(信仰, 希望, 慈愛) というのは宗教的な言葉で、カソリックにおける三大美徳を現しているんですが、楽曲の内容は1930年代に執筆されたアーヴィン・S・コッブというミステリー作家の作品「信仰と希望と愛と」という小説をベースにしています。
米国で悪さをして逃亡生活を共にしていたイタリア人、スペイン人、フランス人の三人組が各々、最も忌み嫌っていた形で死を迎える顛末を描いた作品です。
ギロチンで死ぬのが嫌だった男は、エレベーターで首を切られる。もう一人は、グランドキャニオンのがけ崩れに閉じ込められて終身刑。もう一人は牛の革でグルグル巻きにされて絞首刑。物凄く印象に残っている作品です。生きようという生命のエネルギーが伝わってくるものがあって。

――アートワークにはキリスト教的なモチーフが使われていますが。

Shusuke
あれは偶然ですね。今年の5月にGUEVNNAのサポートギタリストとしてデンマークに行った時に、現地の人に勧められて立ち寄ったアシステンス墓所という場所で何気なく撮影した写真が気に入ったので、アートワークに使いました。

――”The Circlar Ruins”を挟んで、次が”Amyotrophy”。これは作曲がシモナカさんでハードコア・パンク風のファストな曲ですね。

Shusuke
2nd(”ZOTHIQUE“)ではズルズルの方向に行ったけど、速い曲やってみようよ、やらない理由は無いでしょってことで。Amyotrophyは筋萎縮という病名です。
徳洲会という大病院グループの理事長の徳田虎雄という人がテーマです。ALS(筋萎縮性側索硬
化症)を発症して眼球だけしか動かせない。ある本をきっかけにその人のことを深く調べるようになったんですが、とにかくその人の生き様にものすごく衝撃を受けて。
今でも眼球の動きだけで日本全国+世界で200の病院をコントロールしてるという恐ろしい人です。その生命エネルギーの凄まじさ、生命力を楽曲としてバンドで表現したかったんです。この曲に限りませんが、ZOTHIQUEというバンドの楽曲のテーマは全て僕が着想しています。それを自分を含むそれぞれのメンバーに投げかけて、フィードバックとして戻ってきたサウンド、リフやノイズをバンド全体で練り上げて形にしていくというのが慣習になっています。
作りかけてできなかった曲もあります。今回のアルバム全体としてのテーマは、生命のエネルギーというか。前作は死の匂いがする、(今回は)その反動というか。

――前作とは真逆の雰囲気を感じました。前作は聴いていると息が詰まってくるような。それが良さでもあったのですが。

Shusuke
多分、息が詰まってたんだと思います(笑)。人生に詰まってた(笑)。

Photo by Ayako (@ayako66)

――次がJahさん作曲の”Nomadic”。

Jah
これもシュウ君からテーマと、中国のチベット自治区と西成でフィールド・レコーディングしてきた音をもらって、これでドローンっぽい曲を使って作って欲しいってことで。

Shusuke
“Nomadic”は遊牧民という意味で。ツアーもそうだけど、色んな所に行くわけですよ。根無し草のように渡り歩くというか。そういう生活の在り様を、実際に録ってきた音と合わせて表現できればいいな、と。

――次の”Valley of Tears”はアルバム中最も異色な曲ですね。歌詞の内容はセンシティヴなも
のですが。

Shusuke
ああいうカントリーというか、歌モノというか、やってみたかった。ZOTHIQUEでやるのはどうなの?まあ、やってみるか、と。

――あの曲があるのと無いのとで、アルバムに対する印象が大分違うと思うんですよ。

Shusuke
正直、自分でもどういう風に受け止められるかわからないので。去年の12月に母親が亡くなって。ツアーとかしながら介護生活をしていたんですよ。淡々と葬式を挙げて、淡々と居なくなって、淡々と新しい生活が始まった中で、何かふと浮き出たというか。開放感と悲しみが一体になってこみ上げてきた時に思いついた曲ですね。それをZOTHIQUEでやるのはどうかと考えたこともあったんですね。でも、やらないよりはやった方がいいか、と。

――僕は以前、シモナカさんとコウジさんがやったアコースティックのライブを見ていたので、割とすんなり受け入れられました。※こちらの記事参照。

Shusuke
アウトロー・カントリーとか中島らもとか、元々すごく好きなんで。やってることとあまり違和感無いつもりなんですけど、異色と言ったら異色かもしれないですね。

――ラストの”Venus II”は”Venus I”(reprise)的な曲ですね。

Jah
“Venus I”と”Venus II”は繋がってたんですよ。アルバムに入れるにあたって考えていく中で二つに分かれたんですけど、元々は15分ぐらいの曲だった。長い曲が作りたくて。マリファナ騎士団が聖地エルサレムを目指すSLEEPの”Jerusalem”……金星まで行くわけだから、それを超えたいな、と。それが分かれた。

Shusuke
金星から始まって、金星に終わる。ループするというか。無限ループ。

――一回目聴き終わった時と二回目に聴く時とでは印象が大きく変わるような気がしたのですが。

Shusuke
そこまで聴いてくれたら嬉しいですけど(笑)。

Jah
あれは同じリフをずっと繰り返してるだけだから、それが1曲になった時に成立するのかちょっと不安でしたけど、成立したんでそれぞれのメンバーの力がいい感じに出たんだな、と。

――今回のアルバムを聴いて、ZOTHIQUEってゴリゴリの低音を出すことに意識は無いのかな、と思ったんですよ。サイケデリック・ドゥーム/スラッジに分類されるとは思うんですけど、その手のバンドと比べると。

Shusuke
俺自身は重低音を聴かせる、ということにはそこまで拘っていません。自分はこのバンドで作品を作り続ける上では、テーマやストーリーに最も重きを置いています。それがどう表現されるかっていうことに対しては正直、流れに任せています。バンドとして仕上がったものが結果であって。世界観とかテーマに関しては話は尽きないんですが、最終的にアウトプットされる音については他のメンバーとの化学反応に委ねています。

Jah
俺はどっちかというと重低音を効かすことを意識してたんで、そう感じなかったってことは俺の力不足かな(苦笑)。

Darklaw
すいません、ミックスに失敗しました!次のは重いですよ! ※Darklaw氏はレコーディング/ミキシング・エンジニアも兼任。

Shusuke
(笑)。何に重き置くかは人によって違う。「重い」とか「ヘヴィ」の定義も主観的なものだと思うので。音源を聴く環境や機材にもよるじゃないですか、アンプとかスピーカーとか。そこまでは……計り知れないというか、どういう風に聞こえてるかは正直わからない。

Jah
人それぞれ捉え方が違うから。

Darklaw
ここで言うのもあれだけど、ライブとかをウチは録音していった方がいいかもしれない。今回のツアーはすごい厳しかったんだけど、重さの出し方を拘って。

Shusuke
ライブはまた別で。音源の話ですよ。

Darklaw
あ、音源?それは俺のミックスの間違いだよ(笑)。ちょっとキラキラしちゃったんですけど。

Shusuke
そこは好みなんですよ。俺は別にキラキラしてると思ってないし。むしろキラキラしているのは悪いことじゃないでしょ?

Darklaw
だけど、今回はロックを録りたかったのはありましたね。ロックっぽいエッジ、クラシック・ロックに近いミックスにはしたかったのかもしれない。低音を出すのは……出せたんですけど、埋もれちゃうんですよ、他の音が。うちはカラフルだから、あまりベースを出し過ぎると。今回はロック・アルバム。

――Kojiさんはどうですか?

Koji
すごいミックス良いと思いますよ、今回。重低音を効かせて、っていうのは僕は特に。というよりも、結構前から流行ってる音って、メタルでもドゥームでもゴリゴリの低音を思い切り出して振り切った感じの、そういう音が好まれる傾向にあると思うんですけど、僕はそういうのに疲れちゃうというか。これ以上はハードにならない。そういう音作りって淘汰されていって、元に戻すというか、限りなくフラットな音とか、もっと言えばステレオじゃなくてモノラルでも……

Darklaw
マジか(笑)。

Koji
いいんじゃないかってぐらい……なのかもね(笑)。自分の中で勝手に思ってることですけど。そうしましょうっていう話じゃなくて(笑)。レコードをモノラルで聴いたりとか。二個から出さないで一個で出すのもいいんじゃないかなってぐらいに思ってる。今回仕上がってきたミックスもそういう感じに近づいてるなと僕は思ってる。

Darklaw
1stと2ndはガッツリやったから3rdはね。3rdアルバムはさ、ロック・バンドなら遊び心が出てくるというかね。

――メタルの世界では3枚目のアルバムは重要ってよく言いますよね。SLAYERの”Reign inBlood”とか。初期衝動と円熟さがちょうどいい具合になるとか。

Shusuke
結果としてそうなってればいいかな(笑)。3枚目だからってのは意識してないですね。

Darklaw
俺はメタルよりもサイケ・ロックって感じする。3rdが一番サイケっぽくなって、そこから落ち着いちゃう(笑)。これは遊び過ぎた、みたいな。そんな感じする。

――メンバーのみなさんが楽しんでるようにも感じました。

Jah
前のアルバムみたいにライブで何度か演奏した上で録音したんじゃなくて、曲を作ってスタジオで作り上げてライブでやることなくレコーディングしたんで、楽しんでというよりは力入ってた。リラックスしてレコーディングした感じではない。

Shusuke
曲を録ってからそれをライブでやるって流れだったんで、今までとは少し勝手が違った。結果的に安定感は無いですけど(笑)、これから仕上がっていく(笑)。

Darklaw
どうなっていくんだろう(笑)。

――ZOTHIQUEとしてどこまで行けるのか試しているような部分もあるのかなと。それこそ”Valley of Tears”とか。

Shusuke
どうなるかは俺たちにもわからないんで。今が楽しいから。カチっと決めて行くより、色んなことができるのが。これから「なにこれ?」みたいになるかもしれないし、「いいよ、それで」みたいな曲ができるかもしれない(笑)。どこから来て、どこへ行くか……金星より先には行きたいですね、とりあえず。銀河系は出たいな(笑)。銀河系の外の惑星の話とか。

Jah
で、アース(地球)に戻ってくる(笑)。

Shusuke
戻ってこれるかわかんないけど(笑)。Darklawさん、今回の(アルバム)何度も通しで聴くと良いって言われますよ。何回も聴くと。

Darklaw
何回も聴いてるよ。聴かないとしょうがないじゃない(笑)。実は今回の好きよ。

Shusuke
なんかギラギラ、キラキラしすぎてるんじゃないかなって言ってたから。

Darklaw
それはさっきも言ったけどエンジニアだから、自分ができてないことをしてる。世界観として聴きこめばサイケ・アルバムだよ。ドゥーム・アルバムだと思ってないもん。理想通りだよ。さっきメタルの話が出たけど、メタル最近聴いてないし。普通に音楽アルバムとして耐え得るものであれば何だっていいのであって。

Shusuke
俺も好きなメタルバンドはいるけど、ヘヴィーメタルをガチで深く深く聞き込んでいるわけじゃないから。

Darklaw
そう言われると、やっぱりロックなんだなって。サイケ・ロック。あまり意識がないんだよ、ドゥームとか。

Shusuke
ジャンルとしてそう呼ばれてるからそういう風に捉えられるのはあるかもしれないけど……もちろん影響も受けているし。

Darklaw
むしろドゥーム好きな人たちが聴く方が飽きるんじゃない?バラエティがあり過ぎて。

Shusuke
そもそもドゥーム、スラッジっていう「ジャンル」をやっているっていう意識がない。

Photo by Ayako (@ayako66)

――ドゥーム、スラッジを意識して聴くと拍子外れかもしれませんね。

Darklaw
エンジニアとして、そういうやつをこういうカラフルさ、音質でやってみたいけどね。物珍しいじゃん。天骨さん(川保天骨、本誌編集長)のバンド、太陽肛門もドゥームっちゃドゥームだけどサイケだよね。

――本人の根っこにあるのはドゥームよりもそっちでしょうね。

Shusuke
トランスとかも。

――トランスも好きだし、サイケ・ロックも好きな人ですね。

Darklaw
いるでしょ、そういうバンドって。

――ドゥームの元祖、BLACK SABBATHも曲がバラエティ豊かですよね。バラードみたいな
曲もやってるし。

Darklaw
シンセ使うしさ、ひどいよね(笑)。

――(笑)。ドゥーム・バンドってSABBATHのそういう部分をあまりやらないなと思って。

Darklaw
SABBATHだって当時は単なるハード・ロックだしね。ブリティッシュ・ロック。THE PRETTY THINGSの”Parachute”ってアルバム、すごいカッコいいのよ。ドゥームに近い。元々ブルース志向で渋くやってるから。サイケに飽きてハード・ロックになる時期なのよ。でもまだサイケの色が残ってる時代。メタルに行く直前のさ、サイケとかハード・ロックの間のバンドがすごいカッコいいの。JERICHOとか。

――HIGHWAY ROBBERYとか。

Darklaw
HIGH TIDEとかさ。そういうのが一番好きだから。BUDGIEとか。あの辺のロックって一貫性もあって音質もちゃんとしていて。3rdはそれに近いと思うよ。そういう感じにしたかった。Kojiさんの曲、結構好きだよ。

――Kojiさんはどうですか?今後について。

Koji
どんどんこれからブルージーに……嘘だけど(笑)。

Darklaw
ユウ君(Jah Excretion氏のこと)の曲ってJESUっぽくない?

Jah
俺、スラッジもドゥームもロックも殆ど聴かないんで。SLEEPとか、それぐらいしか聴いてない。何を意識したっていうのはないですけど、単純に自分の中で気持ちいい、トランシーな感じで。

Darklaw
トランシーな感じ(笑)。今回はツアーに出て楽しくなったね。

Jah
ライブしてない時期が半年間あったから、やっぱりバンドはライブだなって。

Shusuke
ライブをやらなきゃ何も始まらない。今年はあえて制作期間とライブ活動期間を極端に分けてみたんだけど、やっぱりなあっていうのが。

Jah
シュウ君が旅で録音してきた音を使うとか、人間臭さが出てるのがZOTHIQUEだから。ライブが多分、一番それが出る。もちろん悪い時もあるけど。

Darklaw
ウチはすごいと思うよ(笑)。

Shusuke
悪い時は本当に悪いんで。

Jah
でも、それも含めてZOTHIQUEだなと思う。

Darklaw
ロック・バンドだよね。

Shusuke
ギチギチに計算して仕上がったものをキチンとやろう、という気はさらさら無いんで。時にグチャグチャになったり、時にキラキラしてたり。そういう部分も含めて面白がってもらえれば。

――最後に、今後の予定を教えてください。

Shusuke
今年から来年にかけてはまだまだ続くんですよ、旅が。韓国、中国、九州、あともしかしたら四国も…南の方へ、12月以降に。またどこかへ行きます。とにかく旅をしてライブをやって、その後はまだわからない。

――サンクスリストのOur Unending Journeyというフレーズは印象的ですね。

Shusuke
普段ずっと(メンバーと)一緒にいるわけじゃないので、特に今回みたいに10日間連日でツアーに出ることは非日常の連続ですごく面白いですね。これが永遠に続いていくんじゃないかっていう錯覚に陥ることもあります…どこからやってきてどこに向かうのか、いつかは戻ってこれるのか。これからの旅路も楽しみです。
最後に、今回のツアーメイトだった東京のGUEVNNAとフランスのAGUIRRE, 各地でサポートしてくれた関係者の方々、遊びに来てくれた方、対バンの皆さんに心から感謝しています。ありがとうございました。

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